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クエン酸回路

電子伝達系

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クエン酸回路は解糖系が作ったピルビン酸からアセチルCoAを経ておこる化学反応です。
その課程で水素イオンや電子を預かる補酵素を作り出し、電子伝達系に引き渡します。

追記

クエン酸回路

先日いきなりこの言葉について質問されぎくりとしました。
最近少しは勉強し始めたからよいようなものの、高校の生物の時間、居眠りしていて普段穏やかだった先生を激怒させたというのは今思うと誠に申し訳ないエピソードでした。

そんな寝ぼけながら聞いていた言葉で今も尚頭に残っているのは質問にあった「クエン酸回路」です。

これは生物にとって活動の基礎となるアデノシン三リン酸(ATP)を生み出す、トリカルボン酸回路(TCA cycle)とも呼ばれるステップの一つです。

アデノシン三リン酸とは「生物の通貨」と呼ばれ、すべての真核生物が使えるエネルギー源であります。
アデノシンという物質にリンを三個くっつけた構造ですが、このリン酸化された構造というのはじつはとても不安定です。
それ故簡単に分解し、同時に大量のエネルギーを放出し、それを生物は自らの生体活動に利用します。

このエネルギーを生み出すステップは下記の通りです。

グルコース(糖質もしくは乳酸)>>ピルビン酸✕2:2ATP>>クエン酸回路:2ATP>>電子伝達系:34ATP と流れ、最終的に38分子のATPを生み出します。

グルコース>>ピルビン酸は嫌気性反応(酸素を必要としない)ですが、クエン酸回路電子伝達系は好気性反応(酸素を使って反応を進める)です。

まず(私の勉強のため)順を追って書いてみます。

グルコースから解糖系によってもしくは乳酸からピルビン酸ができます。
このステップは細胞質上、つまりミトコンドリアという発電所外で起きます。

これがミトコンドリア内に運ばれると二酸化炭素を分離し、アセチルCoAと反応してクエン酸に変化します。
そこでまた二酸化炭素を分離しαケトグルタル酸へ。

また二酸化炭素の分離を行いスクシニルCoA>>フマル酸>>オキサロ酢酸へとかわり、クエン酸へと戻ってゆきます。

ちなみに先ほどのピルビン酸は一部オキサロ酢酸へと変化します。

この回路の所々でフラビンアデニンジヌクレオチド(FADH)や、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)と呼ばれるエネルギーキャリアが生み出されます。

これは水素分子を背負った物質で、次のエネルギーサイクルである電子伝達系において水素イオンをミトコンドリア膜間に蓄積させてエネルギーを生み出すものです。

これは水素イオン濃度勾配メカニズムであり、その課程で電子を切り離してプロトン(水素イオン)を幕内から膜間に移動させます。

その二つ目には有名なコエンザイムQ(CoQ)もあり、この補酵素が不足したときに起きる結果はちょっと想像したくないたぐいのものと言えるでしょう。

最終的に蓄積された水素イオンは次々とATP合成酵素を通過し、ADP(アデノシン二リン酸)からATPを生み出します。

興味深いのはこれら一連のエネルギー代謝において、糖と脂質は比較的ぐるぐると回る、つまり分解と新生を繰り返す回路を形成しているのが多いようですが、タンパク質の窒素はオルニチン回路によって尿素として排泄されている点でしょうか。

最も簡単な窒素化合物であるアンモニアは非常に合成が容易でありますが、反面代謝系に蓄積するとあっという間に肝機能障害などを起こします。

そこでほ乳類はこれを尿素にして尿中に排泄します。

近年筋トレがはやっており、タンパク質の摂取に関してもかなり研究が進んでいると聞きます。
また糖質制限療法といったアプローチが糖代謝異常に効果を上げているとも聞きます。

両者ともタンパク質の摂取を積極的に行うようですが、エネルギーサイクルと代謝系への負荷を考えるときわめて慎重に行う必要があるようです。

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