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肝機能についての一考察

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肝機能に関する一考察

最近事故の報道を目にすることときにてんかんという病名も一緒になっていることがしばしばあります。
もちろん当の本人達がこの問題を軽視していたとは考えづらいのですが、亡くなった方達のことを考えると残念に思います。

横浜での研修中先々代の(私たちにとっての)大先生(おおせんせい、と読んでください)がこの問題に関して一家言もっていらっしゃいました。
曰く「肝臓と腹部の操作を上手にすればかなり発作は押さえられる」とのことでした。

当時の私はまだ20歳前後の駆け出しで、大先生のおっしゃることの1%も理解していたとは言いがたい状態でした。
今にして思うと重要なサジェスチョンてんこ盛りで、やはり自分は大切なところで人の話を聞かない、間の抜けた男だと反省しきりです。

皆さん『生あくび』の経験はありますか?
一般に眠くなったときよりも、退屈や食後などで頭がぼんやりしたときにでやすいものですよね。
その原因は後ほど書くとして、大抵は脳の酸欠状態が招く、ある種の緊急処置的な動作だそうです。

イビキはかきますか?
鼻や気道に構造的な問題を抱えている人なども書きますが、脳血管障害時やアルコールを飲み過ぎたときにもかきます。
両者に共通しているのは『脳に酸素が十分に行き渡らない』状態です。
脳血管障害、出血などは言うに及ばず、アルコールの過剰摂取も肝機能が猛毒の分解で手一杯になって、低血糖とセットになって、酸素大食いの脳細胞は悲鳴を上げます。

肝機能に余裕がなくなると代謝機能が低下し、その結果、同じ血流量なのに余分なものが紛れ込みやすくなります。
酸素、グルコース、末端からの正常なインパルスがその正常作動条件なので、脳はたちまち機能低下に陥ります。

てんかんは脳の内部でおきる異常発火、つまり必要以上のインパルスの発生がその病態であると考えられています。
背景には腫瘍から原因不明なものまで様々ですが、発作前兆(アウラ)として生あくびあるいは猛烈に甘いものがほしくなる傾向があると聞いたことがあります。

素直に考えるならばこのときすでに低酸素低血糖が始まっているようですが、詳しくは成書に譲ります。

一方肝機能というのは生理的代謝の中心に位置しますが、東洋医学では肝胆嚢経の方向性は「体の緊張を緩和する」と考えられています。
また滋養に直接関わる「(東洋医学でいうところの)血」を蓄え、巡らせる働きがあるとされています。

つまりこのシステムの問題は滋養を行き渡らせることが十分にできなくなり、体の緊張を強くする傾向がある、と言うことになります。
てんかん発作の一つのパターンとして、強直性のけいれんがありますが、これなどはまさに肝胆嚢経の問題と関係していると私は思っています。

肝機能と肝胆嚢経は別物であることも理解はしていますが、全然違うとまでも言い切れず、かなり関係のある機能同士と考えるのが妥当でしょう。

またビタミンB群の摂取が神経系の代謝に好ましい影響を与えることや、てんかんの治療管理に行われる事実からも、肝機能の改善を目指したアプローチは少なからず関わっていて、大先生はそのことを強調されていたのでしょう。
ただ水溶性ビタミンながら過剰症もあるビタミンBは、複合で摂取する場合に注意が必要です。
医師に相談するのが良いでしょう。

肝臓あるいは肝機能は冗長性が大きく、その機能低下がそう簡単に自覚できないケースが多いようです。
しかし目安の一つですが、体重の変化が少ないのに腹部だけが出てくるような状態では、かなりの確率で潜在的な問題を抱えているケースがみられます。

もちろん中性脂肪がつきまくりの、いわゆるメタボリック症候群に移行している人はそのリスクが急上昇します。
それがてんかんを引き起こすわけではないのですが、たまに意識が途切れるような状態がある人は要注意です。

また、目の充血あるいは白目の濁りはやはり「肝胆嚢経」に負荷がかかっている状態で、何らかの手当が必要なケースがあります。

セルフケアとしてはいわゆる「伸び」をゆっくりとするのが効果的なようです。
その際伸びたまま、できるだけ腹式を意識した呼吸をすればなおGOODです。
またリズムのある生活は必須で、就寝時間と起床時間の管理は欠かせません。

食事に関しては西洋医学的にも東洋医学的にみても「高ビタミン」が推奨されます。
特にB,Cと言った水溶性ビタミンを筆頭に、少量のA、Dなども正常な肝機能に欠かせない要素となっています。

しかし西洋医学で推奨している「高タンパク」に関しては議論が分かれるところとなっています。
なぜならタンパク質の代謝には肝臓の尽力が必要で、時には“残業”が欠かせないからです。
タンパク質の摂取はその代謝過程において出てくるアンモニアという厄介者が問題になります。
余力のあるとき、タンパク質は素早く利用され、肝臓は大いに助かるでしょう。
しかし、疲弊状態にあるようなとき、わずかなアンモニアが負担になる可能性があります。
注意が必要です。

脂質に関しては良質の、しかも状態に合わせた摂取が推奨されます。
いずれにしても大量摂取は禁物です。

肝機能あるいは肝胆嚢経の回復には「休息」が欠かせません。
それも体だけではなく、心の方も十分に休んでおく必要があるケースが相当数見られます。
できればTVや本なども控え、ただひたすらに目をつぶって横になっている。
このように肝機能、肝胆嚢経を養生するときは外部刺激をできるだけ控える必要がある、と言う事実からも、いかに「肝臓」というものが代謝システムにおいて重要な位置を占めているかがうかがわれます。
また同時に代謝という反応が外部刺激によって揺らされている内部環境を補正し、安定させようとしているかも。

一つしか無い体の中で何がかけても困りますが、肝臓は廃絶すれば一日たりとも生きてはいけません。
黙っていることを良いことに負担をかけすぎるといずれ自分が痛い目を見ます。
大事にしましょう。

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