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梗塞

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梗塞

先日有名なサッカー選手が急性心筋梗塞でなくなりました。
まだ若く、しかも長時間続けるスポーツの現役選手がいきなりなくなったことは、多くの人たちに衝撃を与えたようです。
彼はほんの半年ほど前にメディカルチェックなどを受け「異常なし」とされていたそうなので、なおさらびっくりしたという人は多かったのではないでしょうか。

梗塞というのは、血管によって栄養されていた組織が血液供給がなくなり壊死した状態を指します。
心臓や脳などは再生不可な細胞を使っているので、これが起こると重い後遺症を起こすことも珍しくありません。

血液供給に問題を来すパターンはいくつか考えられますが、主に血管が破れる出血と、血管がつまる血栓および塞栓があります。
心臓の場合、心筋を栄養する冠状動脈が大動脈から分岐していますが、これが破れることは(もちろんゼロではありませんが)そうそう目にすることではありません。
たいていは徐々に血管内部径が狭くなってつまる血栓と、別の場所から(ゆうぜい=かさぶたが)遊離して狭いところに引っかかり循環障害を起こす塞栓のどちらかによって引き起こされます。
前者の血栓は心臓内壁に問題が起き、其れが蓄積された結果としておきるので、異常がないのに一瞬にしてつまると言うことは考えづらいものとなっています。
たいていは血中コレステロール、特に低比重のコレステロールはその性質上抱え込んでいる脂質を放り出しやすく、活性酸素などのフリーラジカルが多い人はそのリスクが高くなります。
フリーラジカルによって放り出されたコレステロールは貪食細胞によって取り込まれ、特に内皮内に潜り込んだものは泡沫細胞という、結晶性の硬い細胞に変化します。
これが山を作り血管内径を狭くし、同時に血栓のとっかかりを作ります。
コレステロールによってこのような変化が起きると、血管自体が硬くもろくなり、アテローム変性という状態になります。
そして最終的にはバイパスのない冠状動脈をつまらせ、その先にある組織に壊死を引き起こし、狭心症から心筋梗塞に至ります。

対して塞栓はその場所から離れたところで起きた問題が、別の場所の血管をつまらせるものです。
今回のサッカー選手のケースは、おそらくこの問題であったのだろうと考えられます。
リウマチ熱などで心臓の弁に炎症が起き、かさぶたがはがれこれが脳の血管をつまらせたりもします。
また骨折などで血液中に脂肪分が流れ込み、肺塞栓を起こすケースもあります。
予見が難しいので、本当に運が悪かったとしか言いようのないものだと考えられます。

組織は酸素が欠乏すると、あっという間にその機能を失います。
特に心臓と脳は非常に酸素への依存度が高く、また再生がきわめて難しい部分なので、一度発症すると以後十分に気をつける必要がでてきます。

遺伝的な素因が指摘されつつあるようですが、そのリスクについてはまだはっきりしたことはわかっていないようです。

少しでもおかしいと感じたらまず医師の判断を仰ぐこと。
そして絶対ではありませんが、日常的なストレス(特に心理的ストレス)の軽減に努めること。
組織を栄養しているの血管であり、血管は自律神経系に強い影響を受けています。
心理的緊張が高まると、内径が狭くなる可能性が跳ね上がります。
いつもゆったりした心持ちでいられるような工夫。
簡単ではありませんが、チャレンジしてみる価値は十分にあると断言します。

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