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ネガティブシンキング

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ネガティブシンキング

これは先日治良中に「ネガティブな発想しかできないと言われた、どうしたらよいか」と相談を受け、そのことに関しての私の個人的な見解を書いたものとなります(ケーススタディとして取り上げることの許可は得ています)。

体調がおかしくなると「一歩引いて全体を見渡す」事が困難になりやすいのは事実だと思います。
もう少し限定して言うと「過去のデータを参照する」という当たり前の思考方法が採れなくなるのです。

元来脳という臓器は非常に高度な制御を行う反面、その作動条件がきわめてシビアで、ほんのわずかな逸脱でも簡単にその機能を低下させてしまいます。

体調の変化によってありとあらゆる臓器に影響が出ることが考えられますが、自律神経系がそのすべての調整を行っている関係上、必ずここにフィードバックによる負荷が出現します。
あらゆる条件を加味して結論出す必要がありますが、大まかに考えてもっとも変化の割合が高いパラメータは呼吸のリズムや深さであるとみてよいでしょう。
その結果、酸欠に弱い中枢神経系は緊急時ではその高度な制御をレベルダウンさせ、思考を含むいわゆる人間的な反応をカットし、筋肉や心臓などの動作を優先させる傾向があります。

この緊急状態が続くと次第に反応が鈍り始め、ついにはアクセルを踏み込んでも反応できなくなる状態へ移行します。
アドレナリンやノルアドレナリンの過剰分泌が続き解糖系が酷使されていくと、アデノシン三リン酸の産生効率にも影響が出始め、各種酵素もフィードバックによる最適化がおぼつかなる、と思われます。

こういった「余裕のない脳」が捉えている世界は、通常恐怖に満ちたものです。
なぜなら「何が起きるか(普通であれば予想できることも)考えることができない」からです。
それは狭い範囲の思考の結果とも言えます。
もうすこし平たく言えば「ゆっくり考えることができない、すごく視野の狭い考え」になります。
視野の狭い考えというのは、家族と幼稚園しか知らない子供がその経験の内側ですべてを判断するようなものです。
子供であればそれはとてもほほえましいのかも知れませんが、大人の現実社会においては「変な人」のレッテルを貼られかねないものとなります。

では表題の「ネガティブ」はどこに出てくるのでしょうか。
ネガティブな発想というのはいろいろな考えはあるでしょうが、私は「思考の先回りができないこと」だと考えています。
自分の内部の後追いのみをしていると、当たり前ですが現実的な打開策を見いだすことができなくなります。
普通はそう考えるものですが、疲れた脳みそが“そのこと”に気づくのはなかなかに大変で、ますます目の前の思考(という言い方も変ですが)の処理に追われることになります。
そして思考に絡め取られていくうちに、正常な判断って何?という状態にまで行き着きます。

ちなみに「洗脳」というのは、この状態にまで意識的に追い込んで(心身を脅迫や罵倒などで疲労させるのが一般的)から行われるもので、判断力が著しく低下したところになされるマインドセットはきわめてたやすく従来の価値観と置き換わります。
逆に言えば私たちがもっている価値観、倫理観というのは安定した状況でのみ保たれるものであると言うことの証左でもあるわけです。

話を戻します。
正常な判断というのは現実に対する最適化を行うための脳の働きですから、これが低下した状態では持続的に周囲の状況に適合し続けるのは無理です。
その不適合という現実を打開するための判断は、ほんの一歩だけ引くことによって得られることもありますが、もはやアクションを起こす気力も失われていてはそれすらも思いつかないでしょう。

こういったことが持続的、あるいは断続的に起きるとき、その人の思考は否応なしに失敗を恐れ、達成のイメージの持てないつまりネガティブなものになっていきます。

具体的な打開策として一番手っ取り早いのは医師に相談してまず眠れるようにしてもらうことかも知れません。
話を聞いたりすることももちろん有効ですし、あるいは栄養を十分にとることなのでしょうが、それすらもおっくうになっているときがあります。
遠隔治良も受ける気が起きない、そんなときは本当に困りますが、解決策がないわけではありません。

そんなとき、私は深呼吸を勧めています。
しかもできるだけゆっくりしたものを、ワンセット10回、それを一日に3セットほどしてもらいます。
これで「きっかけ」をつかむことだけはできます。
ここから先はケースバイケースなのですが、ともかく生理状態を少しでもリズムのあるものに戻すことがポイントです。

性格的な問題、トラウマによる感情のブロックなどいろいろなケースが考えられますが、こうやって自分を取り戻すことも珍しくありません。

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