50代からの栄養学
50代からの栄養学
以前「40歳から急に生化学的反応が落ちる」と書いたことがあります(のはず・・)。
正確な物言いではありませんが、概ね40歳を境に老化を意識する場面に出くわすことが多くなります。
つい最近読みかじった記事で、しかも裏をとってないので暫定的な推測の域を出ませんが、おそらくは有効であると思われる話がありました。
それは「40代までは太りすぎに、50代からはやせすぎに気をつけろ」というものでした。
太るにも色々ありますが、ほとんどの場合それは内臓や皮下の脂肪をつけすぎるな、ということでしょう。
そのほとんどは中性脂肪で、しかも内臓脂肪の方が先に消費される傾向にあります。
また脂質界のメジャーであるコレステロールももちろん無視できません。
これらは必要量の7割以上が体内で合成されています。
つまり脂質というのは絶対必要であり、少なすぎると数多くのリスク上昇が考えられるのです。
もっともメタボリックシンドロームの件もあり、不必要な脂質、特に内臓脂肪の沈着はインスリン抵抗性を招くので気をつける必要はあります。
脂質の働きはそれこそここでは書ききれませんが、なんと言っても細胞膜が脂質でできていると言うことが一番大きいでしょう。
脂質の合成プロセスは、糖類からATPを生み出すよりもまた数段ややこしいものになっています。
この二つの事実は
年齢とともに代謝(タンパク質の合成、利用効率)が落ちる>>化学反応プロセス数とその達成度合いは代謝の効率に(部分的に)依存している>>年齢とともに脂質代謝に依存する問題はリスクが上がる>>貯蔵がないとリスクが上がる
という推論を成り立たせます。
つまり40歳前後から始まる代謝の低下は、50歳くらいには具体的な脂質の利用状況問題として問題視される可能性がある、と考えられます。
ここで適当な量が貯蔵されていると、代謝を一からやり直す必要がなく、合成能が下がった脂質を比較的ですが安定的に利用することが可能になるようです。
程度問題ですが、50歳くらいからはあまり低脂質の食事を続けない方が安定するかもしれない。
脂っ気大好きな私は密かに思っております。