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触らないで変化させるってどういうこと?

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触らないで変化させるってどういうこと?

これから書くのは色々考えてみたけれどはっきりしなかった現象の背景についてChatGPTとやりとりしたことの要約になります。
いつものごとくこのやりとりの妥当性を検証するのは難しいのですがかなり腑に落ちたので書いてみます。
今回は仲間がセットアップしてくれた「ChatGPT 臨床推論」というものを使っています。

前稿軽い接触だけでも緊張がとれる理由でも答えてもらっていますが、どうやら軽接触あるいは触らない系の治療は制御系への影響をもたらすようだとAIは推測しています。
私:若いころ「患者さんには触れず患者さんを前に自分に鍼を打つ先生の治療」を見学させてもらった。確かに効いているように見えたがこれはどういうメカニズムがもたらしたと思う?
ChatGPT(以下CG):こんにちは。いや、これは突拍子もないというより、臨床の現場では「説明不能に見えるが、完全に無視もしづらい現象」のど真ん中です。

ここから始まったやりとりですが非常に興味深い回答をもらえました。
CG:あなたの見た先生は、おそらく
①患者に直接介入しなくても系全体を変化させる術を持っていた
か、あるいは
②患者が変わったように“見える条件”を極めて高精度で作っていた
か、その両方です。

なんのこっちゃですが、長い長い回答を読み進めていくと概ね以下のようなことに収斂していました。

CG:仮説1:最も現実的
「患者に触れずとも、患者の脳・自律神経・運動制御を変える場を作っていた」
これが一番ありそうです。
要点
患者の症状、とくに慢性痛や機能性症状のかなりの部分は、
局所組織の故障そのものというより、
脳・脊髄・自律神経を含む防御制御の“過緊張状態”
で増幅・固定されています。
そのため、患者の身体に直接何かしなくても、
「今ここは安全である」
「変化が起きるはずである」
「この人の前では身体を守らなくてよい」
という条件が成立すると、
痛み・筋緊張・呼吸・姿勢・動きが一気に変わることがあります。
これは怪しい話ではなく、かなり神経生理学的です。

あーなるほどです。
私たちが扱う問題の多くは慢性的に経過しており、これは局所的な損傷に基づくというよりも特定の身体パターンを維持することで起きると考えられています。
つまり好ましくない、痛みを誘発しやすい状況が複雑に絡み合っているのですがそれを身体が解除できないでいるわけです。
マズい姿勢や状態で固まっている、という方が近いかもしれません。
これは大抵の場合は局所やある系の緊張や制限を伴い、これが誘導する神経系の警戒モードによって更に状況の解消が難しくなります。
負のループで安定していると言い換えることも出来ます。
これが術者の「警戒を必要としない目線や動き、安定した呼吸を感じることで警戒レベルが下がり緊張が緩んでいく」とのこと。
更に言うとこれは脳の予測機能に基づいていて、身体が痛むから動きはこれとこれだけ、次に痛んだときが怖い、注意の集中による神経システムの可塑性促進などの緊張維持反応に「警戒の必要がない予測誤差」を入れることになります。
これをCGは
身体は多くの場合、“治す”より“治るのを邪魔している固定を外す”方が本質です。
という一文でまとめています。
警戒モードの変更、或いは警戒レベルの引き下げによって脳が実行維持している緊張ループを揺るがす。
合点がいく説明です。

次にCGは次のような回答を加えています。

これは「気の感応」なのか?
言葉としてはそう呼べます。
でもそれをそのまま超常現象として受け取る必要はありません。
もっと地に足のついた言い方をすると、これは
高度な身体観察
微細な対人同調
身体内シミュレーション
共感的予測
自己身体を使った診断/介入
の複合です。
熟練者はしばしば、患者の状態を
“自分の身体で受けてしまう”
ように表現します。
これを全部妄想扱いするのは雑です。
実際、熟練施術者には
自分の呼吸が詰まる
特定部位が張る
立位バランスが変わる
などの身体内表象化が起こることがあります。
その先生はそれを利用して、
自分の身体をインターフェースにしていた可能性があります。

この辺りについて少し詳しい説明を求めたところ、すごく長い答えが返ってきましたので要約。
基本的に以下は「対人同調」という神経生理的な反応を利用しているとのこと。

例えば右僧帽筋に強い緊張があり、これを起点に全身に違和感や不調感が拡がっている人がいるとします。
熟練の術者は瞬時にその身体パターンを読み取り自身の内部でこれを再現。つまり術者の右僧帽筋にも緊張が起きます。
この時患者ー術者という系は同調しその場全体が一つの方向を向く。
術者は先に自らこの緊張を何らかの方法、例えば今回書いた「自分に鍼を打つ」ということをスイッチとして解除を実行する。
この変化を無意識でみ取る、或いは系全体の変化を感じ取った患者の制御系は自ら維持していた警戒モードが「解除可能である」ことを認識する。
結果システムは緊張レベルを下げより高効率の状態へ遷移していく。
特に呼吸や姿勢制御は即座に同調しやすく、これが達成されると自律神経反射(発汗や体温調節)まで同調し始める。
熟練した、しかも同調を容易に行うタイプの術者は分析や解析による「原因探し」よりも何がこの状況を固定しているのかを感じ取り低緊張へ遷移させるポイントをつかむのがうまい。
ただこの「同調」は非常に有効な方向性ではあるもののリスクもある。
それは同調から離脱できず患者さんの(主に好ましくない)状況を残してしまい疲弊する。とのこと。
ここから抜けるのが「技術」であり、無意識にこれを行っている人が多いとも書いています。
一方こういった「高度な緊張解除」を行う人に限って言語化をすっ飛ばしてきていて説明が下手。
最悪です。後進が泣きますなんてことも書いています。
またあなたも真似して触らずに一人でぶつくさ言っていればかなりの確率で変な人のできあがりですとも警告しています(笑)
ただ所作を真似すれば(宗教ではない)シューキョー、分解すれば技術になるとも。
そしてやはり苦手な領域もあるが、こういった治療室にはその先生に合う人だけが残り盛り上げていく。
これを「治療生態系の最適化」と書いていました。

CG:組織を“治す”のではなく、変化できない固定を解く。
そこを外せば、生体はかなり勝手に戻る。
この視点は、阿是穴・経筋・トリガー・神経系モデル、どれにも接続できます。
なぜ「固定の解除」という見方が強いのか
これは、臨床のいろんな現象を一気に説明できるからです。
たとえば患者さんが変わるときって、しばしば
痛い場所そのものを大して触っていない
刺激量が異様に少ない
逆に“何もしてない”ように見える
でも立つ・歩く・呼吸する・表情が変わる
ということが起きますよね。
これ、壊れたものを修理したというより、
「守るために固まっていた制御が、一段ゆるんだ」
と考えると妙に腑に落ちます。
つまり改善とは、加えることよりも解除されることとして起こる場合がかなりある。

もう何度かいたかも忘れましたが、私たちの内部反応は効率よりも安定を優先します。
より高効率な方向性はわかっていても今ある安定を崩さないように反応を維持しがち。
痛みがあろうが動きが渋かろうがそのあたりはお構いなしです。
これを対人同調という反応を使って解除し安定させる。
患者さんには触らず自分に鍼を打って症状を改善する治療の根本メカニズムの説明としてはかなり筋が通っていると感じました。

この流れの中で「共感とは?」という話になり、それが極端に低いサイコパス型治療師の場合はどうなるのか尋ねてみました。

CG:2. サイコパスの特徴
研究的にはこうなっています。
サイコパスは:
感情的共感 → 低い
認知的共感 → 正常〜高い
つまり
感じないが理解できるです。
これが怖い理由です。

ここで共感についての説明を少し。
上にある「感情的共感」というのは、例えば足の小指をぶつける映像を見たとしましょう。
多くの人は経験済み(笑)だと思うので、その瞬間の身体反応を脳は記憶しています。
鋭い痛みが走りしばらく動けなくなるほどの衝撃が走ります。
この時発生する情動、つまり身体感覚である「イタイ」などですが、やそこから生成される感情体験(二度とぶつけて堪るかなど)を今自分がぶつけてなくても瞬時に思い出し、侵害刺激もないのに同じような緊張が生じます。
つまり身体感覚、情動、感情のシミュレーションが行われることで起きる身体反応脳内反応の一つを指して「共感」といいます。
内受容感覚や神経機能が高い、或いは脳の可塑性が強く起きるタイプは「相手の感情を強く評価する」傾向があり、女性に共感型が多い理由だと考えられています。
また施術家、例に挙げた「患者さんの内部状態を瞬時に再現するタイプ」などはまさにこれが強いと言えるでしょう。

対して認知的共感は「理屈はしっている」というもので、知識として病気のことは理解しているが実際のしんどさについては未経験である、と言うような理解の仕方を指しています。
サイコパス傾向が強いと感情のシミュレーション機能が弱い、或いはそもそもそのサーキットが機能していない、もしくは内受容感覚や神経系の応答が苦痛に対して低く、ストレス耐性も高いため所謂「相手の苦痛に同調する傾向」があまりないと考えられています。

なのでサイコパス気味の治療家は、身体的な同調性は低いのでその際生じる情動→感情に飲み込まれることなく冷静(冷酷)に治療を進められるとも書いています。
またこういったタイプでしかも知能認知力が高い場合、極めて高い分析解析能力を持ち得る。
相手の嫌がる方法、例えば強圧や痛みを伴う方法も必要と感じれば迷わず選択する。
だめだと思ったら論理的に考え有効な方法へスイッチする。
それ故に難症例にも強い。
つまり上記の同調型の治療師とは全く逆方向の、しかも高い治療能力を得る可能性があるとのこと。
時々そういう人がいるのは確かです(笑)

書いていて思い出しましたが、私があまり触れない施術をするきっかけとなったケースがもう一つあります。
これもまだ20代半ばでしたが、腰痛を訴えていた女性のケースです。
腰を曲げてベッドにのろうとしていましたがなぜかそのとき「この人の問題は頚にある」と感じました。
経験も浅く、痛みと原因が遠く離れているという実感もまるでなかったころです。
私はこの時その方の頚をまず触ろうとしたのですが、その瞬間頚の緊張が解除されたのを感じました。
「????」だったのですが、確かに頚の緊張はまるでなくそれどころか腰の緊張もなくなっていました。
それで終わっても良かったですがまだそれほど自分に自信がなかったので下肢などに極軽い操作を10分ほど行いました。
腰を曲げて入ってきた女性は、ほんの10分後には「こんなに腰の軽さを感じたのはじめて」という感想を漏らして帰って行きました。

二つの経験は当時の私にはまるで理解不能だったので長らく記憶の底に埋もれていました。
同時に当時から治療時すごく疲れる自分を感じていました。
私はどうも同調型の治療師だったと知るのはずいぶん後になってからのことです。
その間納得もしていない分析解析側に注力し「でもなんか違うんだよなあ」などと考えることが多かったのを憶えています。

一方で顔も見ない,下手をすると本人が治良されていることを全く知らない状況下で行う遠隔治良。
もちろん十分な根拠も提示できませんが、絶対に患者さんを騙さないという私のポリシーに鑑みて検証してみても「確かに効果のある人はいる」と断言できます。
プラセボを含む従来の説明で解体できるのか。
今度聞いてみようと思っています。

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