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脳の栄養

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脳の栄養 2011/07/21

将棋の名人戦において、対戦相手の目の前でおやつをむしゃむしゃ食べる人のことについて書き込んでいるページがあります。
少しえげつないことも書いてあったりしますので自己責任で閲覧してくださいね。

3月のライオンと言う漫画があります。
もちろん私も全巻持っているのですが(笑)、この中でも対戦中に甘いものをばりばり食べるシーンが出てきます。

脳という臓器は非常にエネルギーを消費します。
しかもそれはブドウ糖のみをそのエネルギー源とします。

生体内で使われるエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)という物質ですが、これはブドウ糖からピルビン酸、そしてアセチルCoAをへてクエン酸回路、最終的には電子伝達系で大量生産されます。
もちろん脂肪酸やタンパク質からも作られますが、心筋以外ではブドウ糖が優先されます。

脳や心筋以外ではインスリンの濃度が糖の取り込み量を決めます。
インスリンは細胞膜が糖を取り込むための鍵にあたるものですが、これが増えてくると各細胞は糖を取り込んで自分のエネルギーを自分の中で作り始めます。
脳はこのインスリンの量と無関係に、糖の濃度そのままに自分の中に取り込みます。
ですからインスリンが出過ぎる、あるいは濃度が高い状態では、他の細胞に糖を持って行かれてしまい、低血糖症状が出やすくなることがあります。
脳という臓器は非常に動作環境がシビアなので、その重要要素である糖が不足するとあっという間にダメージを受けてしまいます。
酸欠ほどではありませんが、放置しておくと危険なので、症状が頻繁に出る人は医師に相談すべきです。

脳の正常な作動に欠かせないものとしては酸素は言うに及びませんが、支配下にある組織から上がってくるインパルスというものが挙げられます。
たとえば長期間使っていない組織は、最終的に栄養などが回らなくなって徐々に機能しなくなります。
これを廃用性萎縮といいますが、この組織が復活するために必須な要素として正常なインパルスが挙げられます。
これは遠心性(脳から組織へ)と求心性(組織から脳へ)の両方が必要です。
これはどちらかというと長期的な反応に関わる問題ですが、そのとっかかりとして低血糖症や低酸素症が関わっていることは珍しくないように思います。

脳をはじめとした中枢神経系は非常に繊細なシステムを構築しています。
症状が出たらまずそれがクリティカル(重大)な問題であるかどうかを医師に確認してもらうこと。
緊急性がないとわかったら、上記の問題を含めて検討してみることが必要であると私は考えています。

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