脊髄反射2
脊髄反射2
脊髄反射1の続きです。
p104の屈曲反射というのがあります。
「四肢の皮膚を強く刺激すると、刺激された肢の屈筋群が収縮してその肢が屈曲する。刺激が強ければいくつかの関節が全部屈曲し、体幹に向かって折りたたまれるようになる。」
これは外部の刺激から自身を守ろうとする防御反射の代表みたいなもので、日常でもごく一般的に観察することができるものです。
しかし内部の経路は意外と複雑なようで、詳しくは書いていませんが多シナプス接続反射であるようです。
踏み歩き反射
「四肢で歩く動物を脊髄動物(延髄のところで切断し、脊髄以上の制御を解除した状態)にすると、四肢の間に連絡のある反射運動が証明される」
歩くときなどは(たいていは)意識せずに上下左右で反対の動きが起きます。
これは体幹あるいは重心のぶれをできる限り狭い範囲で収めようとする反応の一つですが、これらは脊髄内あるいはもう少し上の中枢で起きる反応によって制御されています。
脊髄反射1に書いた筋紡錘による伸張反射の中でⅡ線維による伝達というものがありました。
これは同項にある相反神経支配にも関連し、屈筋/伸筋間で共同的な運営を行うための働きをします。
「もっとも感覚神経を全部切断した動物でも、脊髄を刺激すると踏み歩き運動がみられるから、そのような神経支配は必ずしも感覚神経によるものではなく、脊髄内のニューロン結合によるものであろう」
どうやら局所的なシナプス接合だけでみるとわからなくなるのが制御系(だけではないと思いますが)というもののようで、複雑なそして未だ十分に解明されていない可能性がある、とみるのが正しいような気がします。
しかしこうして改めて書き連ねてみるに、運動系における制御というのは
1.筋肉に対して収縮するためのインパルスを送る
2.収縮によって起きる運動が適切に遂行されるために抑制を行う
という二つの柱から成り立っているようです。
次項ではではさらに上位、つまり脳幹、間脳、終脳の制御について考えてみます。