肝臓
肝臓について
肝臓は横隔膜下の右側のほとんどをしめる、巨大な実質臓器です。
その働きは多彩ですが、いわば体の中の化学工場と位置づけることができます。
肝細胞という細胞が多数集まり肝小葉をつくり、この肝小葉が100万というオーダーで集まって肝臓を形作っています。
胃や十二指腸、小腸で消化された物質が門脈という栄養運搬専門の血管に小腸から取り入れられます。
それらは肝臓に運ばれて解毒されたり、再構成されたりして体に行き渡ることになります。
肝臓の働きを大まかに書くと以下のようになります。
・タンパク質の合成
血液成分の一部であるアルブミンなど、様々なタンパク質を合成します。
・炭水化物の代謝
炭水化物から脂肪酸を、脂肪酸とグリセリンから中性脂肪を作ります。
メタボリックシンドロームで話題の内臓脂肪のほとんどは、この中性脂肪なのです。
・脂肪の代謝
コレステロールを合成します。
ここから胆汁やステロイドホルモンも作られます。
・解毒作用
代表的なところでは有害なアンモニアを尿素に変換します。
アルコールもアセトアルデヒドを経て、水と炭酸ガスにします。
これだけすごいことをやりながら、ものすごい回復力を持っていて、半分くらいを切り出しただけでは半年もしないうちに元に戻ってしまいます。
ただ、肝炎などがあってもなかなか症状が出づらく、気がついたときには結構進行していたなどと言うこともあり、別名「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
肝臓がダメージを負うと次のような自覚症状を持つことがあります。
・だるさ
・疲れが抜けにくい
・皮膚に問題が出やすくなる
・やたらとまぶしく感じる
・いらいらしやすくなる
・男性なら右、女性なら左のほほのあたりに湿疹や赤みが出る
・進行すると典型的な症状(蜘蛛の巣状血管や黄疸など)が出る
以上は私の観察体験も交えての話ですが、初期段階であれば肝臓の問題は回復可能ですから、慌てないで対処しましょう。