目について
目について
目と書くべきか眼と書くのが正しいのか迷いましたが、ここでは“目”で統一します。
人間の意志は感覚器からの情報を頼りに決定されることが多いのですが、その中で視覚情報はかなり大きな割合を占めています。
感覚は基本的に神経内でリレーを行いながら(シナプスをかえる、といいます)情報を脳に到達させます。
ところが視覚と嗅覚は入った情報がそのまま処理されます。
他の感覚をそのエリアにおける支社だとすると、視覚と嗅覚は本社直営の出先機関と言うことができます。
そんな情報をキャッチする目は次のようになっています。
まず表面は角膜と呼ばれる膜に覆われています。
うすいですが割と丈夫な膜で、目を保護しています。
ここに連続した組織が結膜で、汚い手でこすったりすると炎症を起こす部分です。
その下に眼房水が循環しています。
この排出が滞ると眼圧が上がって緑内障という病気になります。
その虹彩というカメラで言うところの絞りをつくる膜があります。
この虹彩は交感神経の影響を強く受けていて、びっくりしたりすると緩んで中の瞳孔が大きくなります。
その後ろは水晶体があり、周りについている毛様体筋によって引っ張られ、焦点距離を変えるために薄くなったり厚くなったりしています。
ここが正確に調整できないと近視や遠視になり、年を取って硬くなると老眼、歪んでいると乱視になります。
年を取って余計なタンパク質ができるようになる白内障もあります。
水晶体の後ろには硝子体という、ほとんど水分でできた組織があり、目の形を保ったりしています。
さらに後方に網膜があります。
ここはカメラで言うところのフィルムに当たり、視神経が接続している組織でもあります。
網膜上には杆状体と錘状体があり、杆状体はロドプシンという感光物質を含んでいます。
これが光に当たると壊れて電気信号に変換され、ものの明暗を感じることができます。
ロドプシンはビタミンAと結合して働くので、ビタミンAの不足はいわゆる「鳥目」になりやすいのです。
錘状体は波長によって壊れる組織を含んでいて、これが色の違いを認識させることになります。
網膜の外は強膜という強い組織が取り巻いていて、目をがっちり保護しています。
ここに目を動かす筋肉がついていて、目を上下左右に動かします。
網膜が完治した光の強弱、波長は電気信号に変換されて視神経を興奮させます。
視神経は途中で二股に分かれ、左外と右内、右外と左内の視覚情報をもって脳の視覚野に向かいます。
その途中で脳の動脈や下垂体のそばを通り、ここに腫瘍があったりするとものが二重に見えたり、両目の視野が半分ずつになったりします。
すごく精巧で重要な目ですが、ここはまた心の窓などともいい、心理状態を如実に表す部分でもあります。
わたしは治良の進捗状況を確認するためにいろいろな検査を行いますが、目の印象は特に重要視しています。
もちろんこれは検査なんかではないのですが、治良がきちんと効果を現しているひとは、目がすっきりしています。
逆に本調子とは言えないときは、何となく目もはっきりしません。
たくさんの情報が視覚を通してもたらされますが、わたしにクライアントのことを正確に教えてくれるのもまた目なのです。
鏡を見たらまず目のチェック。
明日から試してみてくださいね。