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痛み2

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痛みについて2

私たち手技療法家がよく遭遇する痛みとしては「常にどこかが痛くてしかもその場所は移動する」というタイプがあります。
もちろんその場所に炎症などはなく、通常のメディカルチェックでは問題を発見できないことが大半です。

痛みという感覚はどこが生じさせているのでしょうか。
答えはもちろん「脳」です。

話は少し変わりますが「マトリックス」という映画をご覧になったことがありますでしょうか。
機械につながれて日々疑似体験の中に生きる人類が、機械に反逆を起こす。
確かそんなような内容だったと思います。
その中でコードにつながれている人たちは疑似体験の中で経験したことと現実の区別をつけることができません。

これは生理学的に正しい、と私は考えます。

脳が体験したことは、すなわち現実に他ならない。
映画の中のようにそれが人類として正しいかどうかは別として、人間の反応とは“そういうもの”なのです。

話を元に戻します。
非炎症性の痛みも、炎症を伴う痛みもどちらも最終的には脳がそうであると認識することによって生じるものです。

ただこの脳という臓器、高度な制御をしているだけあって、非常に繊細で大食いなのです。
十分な酸素、糖分などがないとあっという間に機能が不安定になって、その結果として全身がとばっちりを食う羽目になります。
気圧についてでも述べましたが、常時ぎりぎりの酸素量で仕事をしているタイプの人は、わずかな気圧の変化で起きる酸素分圧の問題がクリティカルな負荷となってしまい、訳のわからない不調に見舞われる原因となります。

私たちのカラダはいつも完全にリラックスしているわけではなく、それどころかかなりの部分が余計な緊張を常に抱えていると言っても過言ではありません。
この緊張している部分が発する信号は、通常中枢神経系では難なく処理されて「あ、緊張しているんだな」とチェックはされていても、不快感が意識に上ることは少ないものです。
ところが脳の機能が不安定で、余計な信号を受け入れる余裕がない状態ですと、機能に影響を及ぼさないレベルの問題もムキになって処理しようとします。

適度にあやふやでいい加減、ということができなくなってしまうのです。

こうなると不規則に緊張を繰り返す部分すべてに警戒信号を発し、不快感でさらに自らを追い詰めると言うことを繰り返します。

交通事故などで頭や頚に強い衝撃を受けたり、あるいは内臓の処理が特定の問題に過敏だったりして脳への糖や酸素の供給=血量をオンデマンドで適切にコントロールできなくなった結果なのです。

痛みの問題がすべてこの手の反応ベースだというわけではありませんが、わたしは決して少なくない人数が潜在的にこのような痛みで苦しんでいるとみています。

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