活性化
活性化
最近「私の~を活性化するような治良をして」というリクエストを頂くことが多くなりました。
実際問題として、活性化が不必要あるいは禁忌な場合も少なくありませんが、それはこの言葉のもつ意味が誤解を持って広まっているからだろうと考えます。
さて活性化の本来の意味ですが、goo辞書によれば
1 特定の機能が活発になること。反応性が高まること。
2 組織などの活動を活発にすること。「地域社会を―する」
⇒かっせい【活性】の全ての意味を見る
となっています。
言ってみれば「よく動くようになる」ということになります。
これは別の言い方をするなら「安定性を犠牲にしている」ともいえます。
これだけでも「活性化=健康」ではないとお分かりいただけるかもしれません。
私達生き物の身体は、その活動時、そしてそれが長時間に渡るときには、そのエネルギー生成を好気性反応に頼ることになります。
糖代謝が生み出すピルビン酸、あるいは乳酸はミトコンドリア上で起きるクエン酸回路及び電子伝達系を動かし、大量のアデノシン三リン酸(ATP)を生み出します。
糖もそうですが、化学反応を促進する酸素もまた極めて不安定な物質で、それゆえに素早く大量のエネルギーを生み出すのに適しています。
要するに「活性化」というのは活動的ではあるけれども、同時に不安定さを伴う状態ということになります。
こんな↓記事を見つけました。
何かの見間違いかとも思ったのですが、不眠がもたらす神経間の活動低下が、部分的な過活動によって生じる過剰抑制を改善してくれる、ということらしいです。
(この記事を信じるとするならですが)必要なのは活性化ではなくて、最適化(optimization)ということになります。
あるのにうまく使えず結果として足りない。
不調感の背景にあるのはたいてい、あるいは好ましいパターンとして治良するケースが圧倒的に多いわけです。
エネルギーを作るポテンシャルはあるのに、何故かそれを上手に使うことができない、例えば食べ物が原因で冷えた状態などのはこれ当たるでしょう。
ですが、なかには必要のない活動を背景に持つ好ましくない抑制や、過剰な動きがもたらすエネルギー不足や反応性の低下というケースがみられます。
長期的に見ると”消耗”という状態に行き着くケースがこれで、上記の記事にある問題などはその一つとして考えることが可能かもしれません。
私の経験したケースで言えば、異痛症などの何割かはこれに当たるものと考えられます。
見た目静かに、しかしその実高速で廻る独楽のようにしなやかな追従性と強靭さを持つシステムとはどのように達成、維持されるのか。
最適化のはてにある活性化。
もしかしたらこの言葉に鍵があるのかもしれません。