最低のエネルギー状態
最低のエネルギー状態とは
これは元気がないとかエネルギーが足りない、という意味ではありません。
とても柔らかく無理のない状態ということで、きわめて安定しているとも表現できます。
柔軟性を取り戻すの項でも書きましたが、生体に於いて完全に脱力している状態というのは、あらゆる状況にもっとも素早く対応できると言うことであり、理想的な待機状態と言えます。
逆に脱力し切れていないと言うことは次のように考えられます。
制御系、この場合脳の中では次の状態を予想せずにはおられず、あれこれ”限定された”シミュレーションを繰り返しています。
つまりいろいろな緊張を運動系に強いていると言うことです。
感覚器をみてみましょう。
センサーである感覚器はある想定された刺激に対しては過剰とも言える反応を示しますが、それ以外の刺激には結構鈍感だったりします。
探しているモノは目につくけれど、それ以外のモノが目の前を通っても“目に入らない”ことってありますよね。
このように最適な判断を下すために、余計な緊張は邪魔なモノであると考えられます。
もちろん例外もあるでしょうが、人体の健全性維持という観点からすると、普段は静かでも変動があったときは追従性に富んだ反応ができる、ということが好ましいのです。
このきわめて摩擦が少なく高効率、そして統合性の高い機能を併せ持った状態へ誘導することが、治良の目的のひとつなのです。