局所ホルモンについて2
局所ホルモンについて2
その特徴の一つは体内における寿命が非常に短い、ということがあげられます。
強い作用がある反面、割と狭い範囲のコントロールに使われるため、血流に乗って遠くまで運ばれるとちょっと面倒くさいことにもなりかねません。
それを防ぐためかどうか、せいぜい30分以内しか安定していられず、あっという間に分解されてしまいます。
ステロイドと同じく、ホスホリパーゼという酵素が細胞膜から不飽和脂肪酸を遊離させますが、これを元に非常に多くの種類の局所ホルモンが作られます。
一つ例を挙げてみます。
アラキドン酸から作られるトロンボキサンという局所ホルモンがあります。
このトロンボキサンは血液凝固作用の一部を担っていて、血管の収縮作用もあります。
また血管壁の細胞から作られる局所ホルモンと拮抗しているため、高脂血症や高血圧などで血管壁に問題が生じていると、その部分の血管は非常につらい立場に立たされます。
またたばこはトロンボキサンと拮抗する物質の精製を阻害すると言われており、たばこ=危険というのは、あながち根拠のないことでもないようです。
この少しやっかいで、加齢とともに増えるトロンボキサンは外部記事リンクでもでてきたアスピリンによって生成を抑えられることがわかっています。
アスピリンは抗炎症作用だけが用いられているのではなく、血栓予防薬としても使われているのはこういった理由があるからなのでしょう。
絶対不可欠でありながら、その制御において非常にデリケートなフィードバックを必要とするため、時々暴走しがちなのがこれら局所ホルモンというものなのです。