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前進するということ

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前進すると言うこと

今回の文章は最近書いたネガティブシンキングに少し関連しています。

ついこの前治良中に「ポジティブに生きるとか前に進むっていいことあるんですか?」と聞かれました。
確かにネガティブであるとつらいので「レッツポジティブ!」が合い言葉のようになっていますが、本当にそうなのでしょうか。

解答としては「思考にいいも悪いも無いよ」ですが、それでは質問した人は納得しないだろうと思い「そうした方がカラダやココロが安定するのは確か。でもそう生きられないときもあるからそれはそれでOK」と、禅問答みたいな答えをしておきました。

ではポジティブであるとか前を向いて生きるというのは、そもそもどういったことなのでしょうか。
いつものごとく「私が思うに」のお話になりますが、個人的には次のように考えています。

まず動的平衡という言葉について考えてみます。
最近よく見かける福岡伸一という人の本の中に書いてあったものです。

安定させるために不安定を選ぶ。
壊れる前に壊れそうなところを自ら壊して補填する。
そうやって次々と小さな領域を入れ替えながら、全体としてのポテンシャルの保全を図る。
そのために一見効率の悪そうな方法をとって、変動に対して鷹揚でいられるようにシステムを構築する。

動的平衡とはそのようなダイナミックな新陳代謝のことを指していると私は考えます。
この概念そのものの正誤是非は置いておくとして、私がもっている「生」のイメージにかなり近いものであると感じています。

翻ってポジティブに生きる、前に進むということとどう関連してくるのでしょうか。
私は変な例えですが「体の構造上どうしても前のめりになるが、倒れないために足を出していたら歩けちゃった」というイメージを持ちます。
捕食する、障害を排除するという生きるための行動を起こすとき、どうしても前に進まなくてはならないからそうした。
結果として歩いていた。

脳の生理として「生きるために前に進む」事を要求しているから前に進んでいる。
つまり心=脳の動的平衡が生きるために必須であるから、前に進みかつポジティブにならざるを得ない。

ただネガティブであってもすぐに深刻な健康問題に発展するというわけでは必ずしもありません。
そういう気持ちになってしまうこともあるのでそういうときはあまり無理にポジティブを志向する必要はありません。
だって生理状態がそうなんですから無理しても納得して気持ちを維持することができませんから。

質問してくれた人へ。
あなたへの正確な答えは「ポジティブに生きなくてはいけないということはないが、生きるためにはポジティブに考えるための工夫が(長期的視点に立てば)必要である」となります。

自分に何が今必要なのか。
じっくり考えてみるのもいいかもしれません。

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