一酸化窒素
一酸化窒素について
これ自体は体の内部でも外部でもよく見かけるものです。
外部では窒素と酸素が高温下で反応してできます。
これはちょっと体によくない方ですね。
ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれていたりします。
ちなみに最近のディーゼルエンジンは圧縮比などが低く抑えられるようになったので、昔ほどではないようです。
体の内部ではアルギニンと酸素を材料に酵素によって合成されます。
これは(一般的に)好ましい作用を、正確には炎症反応の一部を抑えたり、血流に関して促進するような反応の一端を担っています。
以前にも書きましたが、一酸化窒素は血管拡張作用があり、ニトログリセリンが狭心症に効果があるのはこの作用のためです。
またバイアグラも一散窒素が陰茎平滑筋に働きかける性質を利用しています。
してみるとある種のリラクゼイション作用があると考えられるわけですが、局所的な反応が全体に敷衍されるかどうかまではわかりません。
生成された一酸化窒素は、不対電子を持ち、すぐに反応を起こします。
ただし水素を引き抜くほどの反応性はなく、それどころかラジカルと出会うと反応して安定的な状態になります。
ですからどちらかというとラジカル捕捉剤のような働きをすると考えられています。
しかしマクロファージでは一酸化窒素と同時にスーパーオシキドが放出され、このラジカルと出会うとペルオキシニトライトというラジカルに変身します。
これは非常に細胞障害性が高く、色々やっかいな物質です。
炎症がないと損傷の修復が進まず、同時に生成される局所ホルモンも十分に作れなくなり、体の微妙なハンドリングが効きづらくなります。
しかし慢性的に活性化された状態ではこれまた様々な問題を抱えやすい。
フィードバック、フィードフォワードによってその生成量を調節されている一酸化窒素ですが、結構重要な位置づけなんだなと感じました。