やる気が出ない・・・
やる気が出ない・・・
誰でにたまにはそういうこともあるかと思います。
原因は色々ですが、単に二日酔い(笑)と言う可能性もありますし、もちろんうつ状態の可能性もあります。
しかし意外と知られていない問題に、副腎の機能異常があります。
もう数十年前に一度みたきりだったので、頭の中からすっかり抜け落ちていました。
副腎というのは腎臓の上に乗っかっている小さな臓器で、主に(と言うかほとんど完全に)内分泌器として機能しています。
外側(皮質)の部分は主に糖質や無機塩類(ミネラル)の濃度調整を、内側(髄質)はアドレナリンやノルアドレナリンといった神経刺激物質を受け持っています。
今回問題にしているのは髄質の部分で、アドレナリンやノルアドレナリンというのは体が急激に負荷を負ったとき、すぐに対応できるようにあれこれしてくれるもの、と考えください。
人は誰でも体の状態をある範囲にとどめておく方が、安定かつなめらかな作動を維持しやすくなります。
しかし、生きていれば時として思いも寄らない困難や変化に見舞われることがあります。
これらの状況変化は、心や体のストレス状態を招き、ほんわかしたままでは対処できないこともしばしばです。
いわゆるFight or Flight(闘争か逃走)というやつです。
徐々に高まってくる変化には、こちらもそれなりに心身の準備を整えて望めますが、急に高まる緊張にはその余裕がない場合がほとんどです。
生きるか死ぬか、などという究極の二択に直面したとき、のんびり構えているとあっという間におさらばなどと言うことも考えられます。
こうした生きもとしての危機に際して、体は考えるよりも早く反応を開始します。
心拍数や血圧は上昇し、血糖値は大量のエネルギーを必要とする組織への供給に応えるべく、その血中濃度が上がってきます。
筋肉の応答、反応速度は(基本的には)より素早い動きに対応するために、アイドリングを上げた状態で待機します。
当然呼吸も速いリズムを刻みはじめ、取り込まれた大量の酸素は猛烈にATP(アデノシン三リン酸)を生み出す手助けをします。
要は心身の「アクセルオン」の状態を作り出すのです。
もちろんいつまでも続きませんから、通常の状態に戻ろうと反作用も働きます。
その後始末も何かと大変なことが多いのです。
しかしこれらエネルギー高揚の状態は、小さい範囲では常におきていて、特に動作や思考の動き始めにおいて重要な役割を果たしています。
車だって動き始めに一番力を使うように、勢いのついていない状態では何らかのきっかけが必要なように、一瞬のそして小さな反応ですが、エネルギーの高揚がないと「初動」がおきづらいのです。
初動がないとどうなるか。
答え:何もできない、です。
じーっとしていることしかできない、と言うのが正しいですが。
意志のまとめや動作を起こすきっかけがないのですから当然と言えば当然です。
このように症状的にはいわゆる鬱状態と同じような感じですが、現在は適切な処置で十分に回復する問題であると言われています。