うがい
うがいについて
これからの季節、色々やっかいな感染症が大きな顔をし出しますが、予防法として「うがい手洗い」が励行されています。
手洗いについては言わずもがなですが、うがいはなぜ効くのでしょうか。
鼻や喉の粘膜は皮膚と違って血管やリンパと薄い膜を隔ててつながっています。
皮膚は特殊な薬剤や毒物でない限り、侵入者に対してかなり高い防御力を発揮する組織です。
しかし粘膜は、何かが入ってくるとそこにリンパ球などが集まってくる、体内への“割りといい加減な関所”みたいなモノです。
ただ一応ガードシステムもあって、まず粘膜が分泌する粘液。
通常ムコ多糖体主体の体液で、その粘性が非自己をくるんで排泄してしまいます。
粘膜自身も代謝が大きい細胞で、ダメージが加わるとすぐに脱落して新しい粘膜がうまれます。
また炎症反応が起きやすく、これをターゲットにリンパ球をはじめとしたガーディアンズが集結して、侵入者がいすわるのを防ぎます。
しかし、それにも当然限界があって、侵入者がある程度の数になると排除しきれずにコロニーを形成します。
コロニーとは細菌群自身から分泌される粘膜のバリアーで保護され簡単には動かなくなったやっかいものたちを指します。
この粘膜がやっかいで、水を飲んだくらいでは洗い流されてくれません。
そこでは異物を処理すべく炎症が起きていますが、コロニーは体の準備ができるまでは勢力を増大させる一方です。
そこから反応が広がり、発熱などの全身症状が起きることになります。
うがいはこのコロニーが形成される前、あるいはその初期段階で“細菌団地”を洗い流します。
炎症はごく弱い段階で食い止められ、体はあっという間にこれらを修正することができます。
ちなみにわたしは喉から風邪が始まるタイプですが、まだ熱も出ておらず入浴する元気があるなら、湯船につかりながらシャワーで喉の奥深くにあてて声を出しながらうがいをします。
そして鼻うがいを5分くらい続けます。
わたしの場合はよっぽどひどくない限りこれでOK。
あとは体が冷えないようにして早めに床につきます。
体調体質によりますので皆さんすべてにおすすめすることはできませんが、お風呂に入らなくてもよくうがいをすることはいいだろうと思います。
花粉症なども粘膜に大量に発生したヒスタミンなどが問題の一つなのですが、生理食塩水(0.9%程度)で鼻洗いをすることによって軽減したケースもあるようです。
おざなりにしないでまめに洗い流す。
水の豊富な日本ならではのやり方かも知れませんが、結構効果的だろうとわたしも思います。