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Case-3

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平成22年受診

とにかく前後屈がつらく、受診前は寝返りも容易ではない状態。
いろいろなケアを受けてきたがほとんど変化無く、緩やかに悪化してきたとのこと。
長年肉体労働に従事してきた経緯あり。

通常の検査を行うもはっきりした反応検出できず。
改めて組織に個別の負荷をかけてチェックしたところ、L5に見慣れない反応を認めました。

通常腰椎をはじめとした脊椎は、その関節面の特殊性に沿った動きを起こします。
頚椎であればその関節面形状から後方変位なら下方への制限とセットになる、というように。

しかしこのケースではそのような制限も、また位置異常も見つかりませんでした。

以下は私見なのでそのつもりでお読みください。

あえて言うならば、L5椎体(注1)の骨梁線に沿って引っ張られかつロックされているような制限がありました。

このケースには他ではみられない特徴が二つありました。

一つ目は痛みと治良ポイントが一致していること。
少なくともうちにくるような方でこのパターンはごく珍しいものと言えます。

二つ目は普通は最初に検出された制限にはその上位問題というのがひとつは存在しますが、これは上位も下位も存在しないものでした。
はじめは検査に間違いがあったのかと思い、何度も調べてみましたが、結果は同じく単一の反応のみ。

はたしてその制限を間接法(注2)によってリリースすると、翌日から症状、状態双方の軽減がみられ、連続性、関連性のない制限が順次検出され始めました。

全10回にていったん終了。

年齢からするとびっくりするような回復ぶりでありました。

考察

脊柱の椎体は前縦靱帯と後縦靱帯による安定化作用が大きい。
しかし前屈、そこから重量物をもって後屈位へ移る、を繰り返すと接している前後の縦靱帯は次第に疲労性の萎縮、拘縮へと移行するケースが多い。
この拘縮、つまり靱帯の伸縮制限が起きた状態での前後屈は、接触している椎体に運動のたびに無理矢理追従させる結果を生むものと考えられる。
それが繰り返されると、椎体そのものがもっている柔軟性や可動域がある方向、この場合は上下に対して疲労性の制限が加わるというのは無理のある推理ではないと思われる。

ただし多くのパターンはこの無理を他に振り分けることが多いが、ここにある症例はまったく単独で負荷を引き受けていた希有な例であった。

注1:脊椎の重量を支える部分。骨梁線は椎体後方下方から前方中心へと走るものと、後方上方から中心へ走るものがあると言われている。椎体がつぶれる圧迫骨折は骨梁線に沿うように前方がつぶれることが大多数。

注2:矯正において制限のある方向ではなく、より動く方へ向かって誘導し、制限が緩むのをまつ方法。
繰体法やオステオパシーでは一般的なやり方。

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