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頭頂骨

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頭頂骨

この骨の扱いも、蝶形骨とは別の意味でやっかいであると感じています。
その理由としてわたしは以下のことを挙げます。

1.前後に泉門がある
前頭骨との縫合の中心を大泉門、後頭骨とは小泉門といいます。
胎児期から乳児期にかけて開口していますが、次第に閉じて痕跡だけになります。
実は頭蓋矯正の立場からすると、この泉門が正常あるいはそれに近い形で閉じたかどうかは、非常に重要な問題になってきます。
栄養障害、特に水分不足などで閉鎖が遅れたり、(ごくまれに)不完全だったりすると、頭頂骨のモーションが非常に読みにくいものになります。
出産時外傷を含む外力の作用が泉門付近に残っていても、全体の整合性をとるのに苦労します。

2.直下に静脈洞がある
中枢神経系を包む硬膜はそれ自体が二重構造になっています。
外側は頭蓋骨の骨膜として、縫合のところで折り返して少し頭部表面に露出しています。
ちょうど寸法の足りない紙で荷物を包んだときの状態に似ているかも知れません。
そして内側の膜は複雑に折れ曲がって脳の隙間に入り込むような形状をしています。
頭頂骨同士の縫合を矢状縫合と言いますが、この縫合の下は大脳半球の分け目で、真ん中は脳梁が横たわっています。
この隙間に入り込むようになっていて、外膜と内膜の隙間は静脈洞、ここは上矢状静脈洞が走っています。
この静脈洞は内部にくも膜顆粒を備え、脳脊髄液の吸収を行っています。
ただしそのスピードはきわめてゆっくりで、そのため流入してくる脳脊髄液が多いと、その容積を増やして対応することもあります。
頭頂骨にとってはこれが問題となります。
静脈洞が容積を増やす、つまり拡がるとき、頭蓋内では排出をまっている脳脊髄液や静脈血で交通渋滞が起きています。
頭蓋全体の圧力が少し高まる形になるのですが、このとき動きの範囲が明らかに変わり、問題の検出が少し難しいものになりやすい。
わたしはそう感じています。

3.直下に大脳鎌がある

篩骨鶏冠にしっかりと付着し、直静脈洞を形成したあと、小脳天幕>付着部、そして脊髄硬膜へ合流しているのが大脳鎌です。
その方向性から、硬膜系統が縦方向に負荷をかけられるとテンションに変化が出やすくなります。
特に篩骨方向、つまり体の前面方向への緊張が発生すると、頭頂骨は少し下(頭蓋内方)へ引き込まれるようにフィクセイションを起こしやすくなります。
このとき、その原因が前頭骨にあるのかそれ以外にあるのかの判別が難しくなります。
篩骨が周辺が前方へ引っ張っているのならまだわかりやすいですが、後方、つまり小脳天幕が緩んで相対的に前方へのテンションが上がっている場合も少なくないので注意が必要です。

アプローチは他の骨と一緒ですが、拡張よりも収縮の動きに大きいときは脳圧が慢性的に高まるタイプかも知れないので、怪しいと思ったら医師に相談することをすすめるべきだと考えています。

経験的にはこの骨、特に矢状縫合の頂部が制限されているとき、便通に悩みを抱えやすくなっています。
ただしいわゆる“踏ん張る”事が日常的になっている場合、血管系の問題においてリスクが上がりやすいタイプでもありますので、やはり一度医師による診断を勧めておくべきでしょう。

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