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青竹踏み

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青竹踏み

この効能についての説明を求められたのはずいぶん前の話でした。

修業時代に教わった方法の一つに「足の裏を叩打刺激すると血圧が安定する」というものがありました。
その理由についての明確な説明はありませんでしたが、経絡が関連しているのではないか。
漠然とですがそう考えておりました。
もっとも当時は経絡という概念についてもよくわかっていたわけではなく、多分そうなのかな、という程度の認識だったことを覚えています。

今はもう少しましな説明がつけられるようになりました。
以下をお読みください。

血圧決定の力学的要素の一つに「下肢に下がった血液が無理なく静脈を上って心臓に還ってくる」必要性が挙げられます。
足底部分に達した血液は位置エネルギーが低い状態、つまり動きづらくなっています。
この血液は心臓が発生させる負圧だけでは還流させることができません。
下肢のポンプ、具体的には下腿三頭筋が起こすポンプ様運動による圧力が必須になります。
このサポートが不十分だと以下のような状況を招きます。

・まず下肢周辺における血行障害により、上の血圧を上げて血液を押し込む。血行は血液がなくなったところに流れ込むので、還流が不安定だとやや圧力を上げて血液を流そうとします。

・心臓はスターリングの法則に則って、還流した量に比例した拍出を行います。なので還流不足にならないように負圧を最大限使おうとします。これが下の血圧があがる理由の一つとなります。

・静脈は逆流防止弁がそこかしこについていて、登り切れない静脈血は静脈圧を上げ、薄い壁しか持っていない静脈は防止弁がポケットになって血液を受け止めてしまい、結果静脈瘤を作りやすい。

ところで下腿三頭筋のポンプ作用、つまり筋機能の維持にはどのような要件が必要であると考えられるのでしょうか。
筋力強化ももちろん必要ですし、そのための最低限の運動も欠かせないでしょう。
しかし意外と知られていないのが筋膜の機能です。
筋膜は筋肉と一緒になって動きますが、隣接する筋肉同士の直接接触による摩擦を防いだりしてくれます。
また、筋膜が硬い状態だと筋肉は徐々に萎縮する方向に向かうことも珍しくありません。
つまり筋膜も筋肉同様、いつも柔軟であるべきだということです。

さて、下腿三頭筋の筋膜はもちろんそれはそれであって、一応独立した構造になっています。
しかし機能的には足底から下肢裏側、臀部から背部を通って頭頂まで体の後ろ側を通る筋膜すべてと関連しています。
機能的な関連とは言い換えると相互に依存し合う部分を持つということで、一カ所の機能低下は全体をレベルダウンさせますし、逆に関連部分を柔軟にすると全部に波及しやすいということでもあります。

前置きが長くなりましたが、青竹踏みによる足底の刺激は足底筋膜を伸ばし、直接関連している下腿三頭筋の筋膜にも影響を与えます。
そして柔軟になった筋膜の周囲には今まで以上に血液が集まり、下腿三頭筋を栄養してくれるはずです。
そしてその恩恵によって筋のポンプ機能は今まで以上に活発に働いてくれるものと推測されます。

現在の私は青竹踏みの効能についての説明を求められたとき、上記のように答えることにしています。

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