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随意運動

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随意運動

やっとp110です。

「反射運動に対して、意志に従う運動を随意運動という」

何らかの要求、たとえば体内で発生した生理的な信号(例:空腹)や、抑圧された心理状態がもたらす衝動。
あるいは外的要因が強い生化学的な要求などが引き金になり、生命の存続を最優先とする私たちの体に「生きてゆくためにもっとも必要なアクションを起こすための意思」が発生します。

この意思がまとまり「意志」となり、思考や意識を形成します。
形成された思考や意識は脳にインパルスを生じさせ、体への命令となります。

この結果起きた運動を「随意運動」と呼びます。

他の組織、器官の反応についてもおおむね同じようなことが言えますが、その制御経路については単純とは言いがたいものがあり、本を読んでいるだけで少々うんざりしてくるくらいです。

話を戻します。

大脳皮質の頂部からやや前方を「中心前回」といいます。
ここは運動系におけるもっとも上位の中枢であり、それ自身のさらに前方に位置する「運動野前皮質」、後方に位置する「体性感覚野」、そして視床からの入力を受け取りインパルスを発生させます。

ご覧になったことがある方も多いと思いますが、脳の断面図に沿って眼や唇、手の指が大きく書き振られた図があります。
これを「運動の小人」といいます。
器用あるいは敏感である必要のあるところはたくさんの領域が割かれ、より多くの情報をやりとりできるようになっています。

さてこの運動野に生じたインパルスが下る経路(のひとつ)を「錐体路」といいます。
これは脊髄錐体部を下行することからついた名前ですが、延髄を出るまでは発生した大脳半球同側を、脊髄に入ってから錐体交差を経て体側を下行します。

やはり何かいろいろ勘違いして覚えていたようでお恥ずかしい限りです。

この錐体路が障害される、つまり上位制御が問題を起こすと、つぎのような症状が出ます。

1.痙縮

筋の弛緩を適切にさせるための上位反射(γ環など)が安定しないために起きる問題で、四肢の屈曲/伸展一方向の他動運動に強い抵抗を示します。
動かしはじめが強く、急に抵抗を減じるのが特徴です。

2.腱反射の亢進

これも1と同じく筋弛緩反射の問題であり、筋の緊張が相対的に強くなり、拮抗関係が崩れることから起きます。
膝蓋腱反射の場合、膝蓋骨の少し上四頭筋筋腹をたたいても反応が出た場合は亢進と判断します。

3、バビンスキー反射

通常4歳くらいまでには消失しますが、5歳以降もこれが現れているときは精密検査をするべきです。

錐体路障害が考えられる問題としては特殊な神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症など)や頚髄における靱帯変性による錐体路圧迫などがあげられます。

この錐体路以外の運動経路をまとめて「錐体外路」といいます。

大まかにいうなら、随意運動を遂行するための裏方的な役割を担う経路でもあります。
随意運動がスムーズに行われるためには、意図しない動きが適度に抑制される必要があります。
手がぶるぶる震えたり、足が思うように前に出ないなど、極度の緊張状態にみられるような動きは、錐体外路系が安定して機能していないと言えます。

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