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脳脊髄液減少症

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脳脊髄液減少症

今朝次のような記事を読みました。
これは結構よく見かけるというか、「そう言われた」と訴える人が少なくありません。
ただこの記事にあるように、多くは必ずしも診断通りの問題を抱えているわけではなさそうです。
これはこの問題に限った話でもなく、また医療機関だけが問題であるわけでも勿論ありません。
そもそも診断というのはこういう知見を積み重ねて、分野全体で徐々に確証を固めてゆくものだからです。

さてこの脳脊髄液減少症というのはどのような問題なのでしょうか。
脳と脊髄は、ほぼ防水されている硬膜という丈夫な膜組織に覆われています。
正確には軟膜、くも膜、硬膜の三重構造からなる膜によって、中枢神経系を保護しているわけです。
この保護膜と中枢神経系の間には栄養液として、そして緩衝装置としての脳脊髄液(CSF)という液体をたたえています。
脳の中心近く、脳室というくぼみのようなところに脈絡叢という組織があります。
このキクラゲのような組織から圧力に呼応して分泌されるのが脳脊髄液です。
これは血液から血球成分を除いたような組成になっていて、水よりも若干重い、ほとんど血液のような感じです。
中枢神経系を栄養するとともに、繊細な組織である神経細胞を外部の衝撃から保護しています。

この脳脊髄液は圧力が上がってくると脊髄硬膜全般に点在している、特に頭蓋内の静脈洞というところに多いですが、くも膜顆粒という組織から吸収されるようになっています。

分泌に問題があれば圧力が減少気味になりますし、吸収排出が不十分なら慢性的に高圧力(水頭症など)になります。
いずれにしても好ましいことではなく、慢性状態は中枢神経系への物理的化学的損傷のリスクが増大します。

外傷などによって防水機能の一部が損なわれ、脳脊髄液が漏れ出す問題が、脳脊髄液減少症という疾患になります。
限られた分泌量に対し、流失量が多く、そのことにより中枢神経系が物理的機能的に安定し得ない状態に追いやられます。

画像診断では液量減少による脳が位置的におかしな状態にあるのがわかる、そうです。
ワタシ自身はそれを直接見たことはありませんが、MRI(磁気核共鳴イメージ診断装置)などではそうなっているとのこと。

もしそれが病態そのものであるとするなら大事です。
のんびり治良などやっている場合ではなく、早急に外科的処置をする必要があります。
症状としては頭痛に始まり、全身の倦怠感や無気力、不定愁訴など様々なものがあるようです。

ただし、むち打ち症などのように、標準的な医療の基準では十分な治癒状態にまで誘導が難しい病態と、その症状の上での鑑別はきわめて困難で、自己パッチなどをされてかえっておかしくなるケースも少なくないようです。

これらの症状を抱えている人に、矯正音が鳴り響く治良をするのは、個人的にはおすすめしませんし行いません。
なぜならたいていの場合は組織に過剰な弛緩状態を抱え、強い衝撃に耐えられる状態ではないケースの方が圧倒的に多いからです。

むち打ちと同じように静かにアライメントの修正を行いつつ、組織の修復を行う必要がある疾患。
脳脊髄液減少症とはそのような問題であると私は考えます。

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