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脊髄反射1

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脊髄反射1

ここに「小生理学書 - 改訂2版 - 金芳堂」という本があります。
私が専門学校時代にお世話になった本で、ずいぶん読んだ記憶があります。

ただしそれはどうやら美化され修正された記憶のようで、改めて読んでみると全然理解していないことが判明しました。
馬鹿はちょくちょく自分を客観的に振り返っておかねばならないということの見本です。

さてそのテキストの第4章に「運動系」という章があります。
主に神経生理を中心とした制御系の解説であり、脊髄内でどのような反射が起きているのかを(当時の知見に照らし合わせて)わかりやすく書いてあります。

こういった分野も日進月歩で様々なメカニズムが判明していますが、基本的には「全く違う!」ということはないと思われる内容だと考えます。

その中で「脊髄反射」の項目を改めて読んでみました。
全然勉強した記憶がありません。
自分でもびっくりです。

基本的なことも知らずにあーだこーだと語っていたことを考えると、本当に情けなくなります。

というわけで自分の勉強のため、ここで少し引用しつつ考えてみたいと思います。
しばしおつきあいをお願いいたします。

脊髄というのは頚髄から始まり仙髄(胸髄までとする人もいます)までの脊柱に収納されている神経系を指します。
頚髄から上は頭蓋内に収納されており、いわゆる脳というものになります。

そして刺激を脳まで上行しないで処理する反応(の大半)を脊髄反射といいます。

その中で運動系、つまり筋肉や腱の反応を素早く処理するための経路というものが存在しています。

p102 伸張反射からみてみましょう。
以下「 」内は引用部分です。

「骨格筋を伸張するとその筋が収縮する。これを伸張反射という」

筋肉というのは微細な筋原繊維がお互いに(多少粘性のある液体を介しながら)かみ合った状態で筋膜という袋に入れられているものと考えると大体あたりです。
その筋肉は伸ばされすぎると破損しやすくなるため、それを監視するセンサーが組み込まれています。
これを筋紡錘といいます。

「張力受容器である筋紡錘は骨格筋の中に埋め込まれたように存在し、2~10本の紡内筋繊維からなっている。」

筋の伸張を感知するわけですから、当然筋繊維とつながっています。
伸ばされることによって筋紡錘も引き延ばされ、これが興奮刺激となります。

その結果であるインパルスはⅠaという太い感覚神経繊維とⅡというやや細い繊維を介して脊髄に伝えられます。
そして脊髄内で脳へ上行せずに直接運動ニューロン(神経細胞)に接続しています。

余談ですが、伸張>>反射>>短縮してしまった筋内筋紡錘はその興奮を減じますが、筋紡錘両端の横紋筋に接続している神経はγ繊維という、脊髄反射経路とは別系統の上位反射を伝える繊維です。

ここがある程度インパルスを受け続ける状況が続くと、筋紡錘はいつも刺激を受け続けることになり、伸張反射は敏感になります。
このサーキットをγ環といいます。

次に腱反射をみてみましょう。

筋肉はその末端を骨膜あるいは骨質に付着させています。
しかし付着部は筋肉組織としてではなく、腱というあまり伸び縮みしない組織に変化しています。
有名なところではアキレス腱や膝蓋腱などがあります。

「腱の中にも張力受容器である腱紡錘(Golgi腱受容器)があり、太い求心性ニューロン(Ⅰb線維)が発している。」
とあります。

Ⅰb線維というのは筋紡錘の刺激を伝える線維のうち、太い方とほぼ同じ断面積を持ち、伝達速度が速い線維です。

「しかしこの線維は脊髄内で抑制性介在ニューロンを介して運動ニューロンに接続しているので、この線維を刺激すると運動ニューロンは逆に抑制されてしまう。」

これが意味するとこは以下の通りです。
筋の伸張が急激かつ強く起こったとき、その反射であるところの短縮もまた激しく起きるのですが、これが強すぎても筋を損傷してしまう恐れがあります。
これを防ぐため、腱紡錘は筋の「短縮反応」を監視し、強すぎる問題はその反応をスポイルする方向で抑制する、ということになります。

これをⅠb抑制、あるいは自己抑制といいます。

ちなみに膝蓋腱をたたいて膝がぴょこんと伸びるのは、腱の反射ではなく、大体直筋が急激に伸ばされることによって起きる短縮反射です。

次はp103の反回抑制です。

びっくりするほど記憶にありませんが、ともかく読んでみます。

「運動ニューロンの反回軸索側枝は抑制性介在ニューロンを経て、元の運動ニューロンおよびその近傍の運動ニューロンに接続している。この抑制ニューロンはレンショウ細胞と呼ばれ

ている。」

よくわからないのですが、要するに運動神経に対する適度なブレーキングを行っているようですね、これ。

4番目は相反神経支配というものです。

「伸張反射はほとんどすべての筋にみられる(発声筋にはない)が、一つの関節に対する伸筋と屈筋の間では、一方に伸張反射が起こっているとき、同時に他の運動ニューロンを抑制す

る。」

例を挙げると、肘を曲げるという動作の時、屈筋である上腕二頭筋が主筋として働きます。
このとき一緒に拮抗筋が緊張すると関節を曲げることができません。
このとき拮抗筋である上腕三頭筋では伝達線維Ⅰa>運動線維がいくつかある抑制性介在ニューロンの影響を受けて、興奮が上腕三頭筋に伝わらないようになっています。
これをⅠa抑制または拮抗抑制といいます。

このような制御ロジックを相反神経支配というようです。

脊髄反射2

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