笑うということについて
笑うということ
まあ出来れば一生、一日一度は腹の底から笑えるような自分でありたいと思っています。
しかしなかなかそうは行かず、「そういえばあんまり笑ってないな・・」と気がついて、愕然としたりもします。
笑うという行為は人間だけがするものと昔は考えられていましたが、どうもそうではなく、他の動物も笑うし、あまつさえ植物もその感情に対する特別な反応を見せるらしい、ということが言われるようになっています。
感情の揺れという、思考に付随する中枢神経系がもたらす反応のうち、もっとも「元気」を引き出すことのできるベクトルを持っているのが笑いという行為です。
生き物にとって普遍的な反応の一つ、といえば言い過ぎかもしれませんが、人間にとってかなり重要な感情の一つであることは間違いなさそうです。
がんのカウンター的アプローチとして「笑い療法」なるものがあると聞いたことがあります。
これは次のように説明することができます。
がんの発症増殖するプロセスの中で、免疫システムの問題があります。
NK(Natural Killer)細胞という、いわば体の警察官のような細胞があります。
常時あちこちを見まわって、異常な状態、特にがんを発見するとパーフォリンというタンパク質でやっつけてしまいます。
このパーフォリンはちょうどストローのような形状で、がん細胞にこれが刺さると浸透圧の関係でがん細胞の中身が流出します。
中身が流れてしまうと細胞はただのタンパク質の塊なので分解吸収されてしまいます。
このNK細胞はなぜかステロイドホルモンの受容体を持っています。
受容体というのは鍵に対する鍵穴みたいなタンパク質のことで、ここにステロイドホルモンが入り込むと、NK細胞は働きを止めてしまいます。
ステロイドというのはコレステロール骨格を持つホルモンの総称で、人間の生理状態に重大な影響を及ぼします。
抗ストレスホルモンのうち、副腎から出るものもステロイドで、イライラ、怒り、悲しみなど、どちらかというと一般に言う「ネガティブな感情」を感じた時、分泌が促進されます。
私はいわゆるネガティブな感情が不要だとか悪であるなどとは考えていません。
が、この生化学的事実が示すように、いつもこの状態だと身体という機械の消耗が早まったり、その結果としてややこしい健康上の問題を抱えるリスクが上昇する、と断言してもよさそうです。
一日一回とは言いませんが、なんとなく調子が悪い、あるいはなんとなく”周りも含めて”うまく行っていない気がする。
そんなふうに感じたときは、心の底から笑いたい人への動画 でもごらんになることをお勧めいたします。
こんな会まであるのですから、やはりこれは大変重要なことなのだろうと再認識します。