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物忘れ

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物忘れ

そろそろ50代が見えてきている私はこの言葉を聞くと「ぎくっ(--;)」とします(笑)。
何を食べたか忘れても、食べたことを忘れることはありませんし、忘れたことを指摘されても逆ギレをすることもないので、まだ大丈夫だろうとたかをくくっておりますが。

さて、表題の物忘れですが、いくつかのパターンがあります。

記憶というのは神経系のネットワークが強化されることで定着します。
このネットワークにほころびが生じ、記憶がとどめておけなくなったり、記憶すること自体が困難になったりします。
神経系に異常を及ぼすような病気、代表的なところではアルツハイマー病やクロイツフェルトヤコブ病などがあります。
また脳血管の障害により、栄養が十分に行き渡らなくなった結果、神経系の働きがトーンダウンしてしまうことがあります。

こういった難治性疾患の場合、ある程度症状を抑えることは現在では可能のようですが、記憶の定着や新たなメモリー機能に関しては期待をすることは難しいようです。
また様々な機能、例えば昼夜のリズムを取るあるいは食欲の適度な抑制など、が効かなくなりがちです。
組織が破壊されるのを防ぐためにもうけられていたリミッターも解除されたりすると、見た目からは想像もできないような怪力で周囲を驚かせることもしばしばです。

かように脳という情報の集約センターが機能しなくなるといろいろな問題が生じますが、逆に言うと私たちは普段集団生活を営むためにいろいろな制限を知らず知らずのうちにかけていると言うことになります。
これはほぼ人間だけが高度化させてきた「理性」というすばらしい働きですが、実は案外不安定なものであると言うことも最近はわかってきています。
生物としてもう少し厳しい状況、例えば食住がままならない社会的情勢など、だったりすると、ややこしいストレスは後回しにされて、今緊急の問題に集中するために全機能が協力します。
そのために必要な「理性」も最大限に発揮され、生き残るための知恵がフル回転し始めます。
こういう状況下ではありとあらゆる機能が最適化され、脳の血行障害の確率も(栄養学的な観点は別として)下がる傾向にあります。
つまり認知の問題も起きづらい可能性が高いと私は思っています。

しかし現代の日本のように、大方の人たちは食や住居をある程度保証され(これからどうなるかはわかりませんが)、生命の危機がとりあえず棚上げされやすい状況では、この「理性で抑えていた集団生活のため抑制された欲望」がむき出しになりやすくなります。
ひらたく言うと文明に進歩は人間をわがままにする方向へ向かいます。
そもそも文明は「できるだけ人の手を煩わせず、何でも自己完結できる方向」へ進化してゆくのですから当然と言えば当然です。

少し話がそれましたが現在の状況は物忘れを誘発しやすいのではないか。
これを防ぐためには緊張感のある生活を心がける。
もう少し言うなら常に自分のことは自分で行い、するべきこと(例えば仕事)があるように工夫をする、ということでしょうか。
私はそう考えています。

もう一つのパターンとして「覚えたつもりで覚えていない」というのがあります。
これは単に体力低下に伴うもので、集中力の欠如が考えられます。
有り体に言うと「聞いているようで聞いていない、だから覚えているつもりで覚えていない」です。
上記の物忘れが「引き出しに穴が空いて記憶の流出がおきるもの」とするなら、この場合は「最初から引き出しを開けていない」ことが原因です。
これは私もしょっちゅうあります。
と言うか物忘れのほとんどがこのパターンです。

基本的に加齢などにより体力の低下が原因でおきることが多いですが、単に興味が無いことに対して柔軟な対応ができなくなった場合と言うこともあります。
年齢とともにこのような傾向が強まると言われています(笑)。

上記両方に共通しているのは(特定の疾患を除いて)脳の血行不足という点ですが、これを防ぐのは規則正しい生活と適度な運動であると言われています。
筋肉量を増やしたり毎日の有酸素運動は細胞上のアデノシン三リン酸産生に大きく影響をします。
ミトコンドリア上でおきるこの反応は必要に応じて増減しますから、心身への刺激の低下は当然この働きを低下させる方へと反応します。

どうやっても防ぎようのないことはたくさんありますが、そのリスクを減らす工夫というのはいつまでたっても必要なのでしょう。
特に医療費削減あるいは介護の問題が社会問題となっている現在では必須と言っても良い話だと考えます。

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