漢方
漢方
元々は中国などから渡ってきた知識や考え方をベースに、日本で独自に発展してきた医療体系のことを指します。
漢方薬だけではなく食養生などを含む、一般にイメージするよりも広い範囲をカバーする考え方です。
基本的には中国の五行論がそのベースになっています。
さて私は専門家と言えるほど漢方に詳しいわけではありません。
ただしいくつか一般的な誤解があるようなので書いてみようと思いました。
まず運用方において、標準医学とは異なる点があります。
先ほど「五行論をベースにしてある」と書きました。
最初にこの五行論から説明してゆきます。
以前マクロビオティックにおいて陰陽論というものを(少しだけ)解説しました。
復習をかねてもう少し書いてみます。
その昔太極という陰陽のもとに位置するところは、無でありながらすべてを内包し、あらゆる事象はそこから生まれそこへかえる、と考えられていました。
この「全宇宙スパイラルの中心」は、始まりであり同時に終わりをも意味し、すべてが生み出されつつもすべてが壊される「事象の母体」のようなイメージで考えられていたようです。
一神教があまり発達しなかった東洋ではこのような思想があちこちでみられ、地域によって味付けは変わるもののおおむね似たような概念をもって土着信仰が作られていったわけです。
このすべての源である太極では、人間の考えが及ばない法則によって支配されていると考えられていて、ここでは一切の物理法則が無意味であるとも思われていました。
しかし、このよくわからない恐ろしげなエリアと私達はいくつかのステップをはさむものの、ひとつらなりであるとも考えられているのです。
なんとも大胆ではありますが、ともかく私達は完全なるものの一部であるというのが、当時の思想家の根本にあったのです。
ですが太極は完全でありすぎるが故に、私達のような不完全な存在に直接関わってはいないとも考えられ、そこでその間を埋めるべくいくつかの段階を「制定」し始め、その最初が「陰陽」であるとしたのです。
全く触ることも感知することもできない「太極」がほんの少し色や手応えをつけたのが「陰陽」であり、そしてそこから五行が生まれ、さらに狭く強固になったものが「物質世界」になったとされています。
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