椎間板
椎間板について
ヘルニア、変形、狭小とあまりうれしくない言葉とセットになり語られることの多い組織ですが、その働きはとても大切なものです。
椎間板は文字通り、椎骨の間にある軟部組織で、緩衝作用を持つと同時に脊柱全体のアライメントに深く関わっています。
ただし第一頚椎と第二頚椎の間にはありません。
皆さんは椎間板と聞いてどのようなイメージを持たれますか?
軟部組織といっても実はそれほど柔らかいものではありません。
硬いガムシロップのような髄核というあんこを、丈夫な繊維組織でぐるぐる巻きにしたような構造を持つ、食べづらいお焼きみたいなものを想像していただけると大体あたっています。
髄核は基本的に球形を保っていて、上下で接している椎体のアライメント決めに一役買っています。
その外側にある繊維輪は、最外周部分に痛みに対するセンサーをたくさん備えています。
椎体のアライメントが狂ってきて、縦方向に伸びづらい最外周部分が上下に引っ張られつづけると、特定の方向にカラダを傾けたときに強い痛みを感じやすくなる原因になります。
また加齢によって水分が少なくなると、少し小さくなる傾向があります。
しかし椎間孔という神経の出入り口は(めったにありませんが)椎間板が完全になくなってもある程度のスペースを確保しています。
繊維輪が疲労性の損傷によって避けると、その裂け目から中の髄核が飛び出すことがあり、これを椎間板ヘルニアとよびます。
このときも飛び出した髄核が神経を圧迫しても痛みにつながらないこともあります。
しかし重傷の問題は外科的処置を必要とし、腰痛の10%程度がこれに当たると考えられています。
個人的にはビタミンCの不足、あるいは利用効率に問題のあるタイプが椎間板に異常を起こしやすいとみています。