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春先にご注意

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春先にご注意

函館あたりはまだ寒い、というか今日(3/3)は真冬日だったりしますが、関東以西はそろそろいろいろな植物が芽吹く時期のようです。
寒さが緩む、という言葉がありますが、人間の体も寒さによる緊張から少しずつ解き放たれる時期であります。
ただしこの時期それは表面部分に限られます。
体の芯の部分や、自律神経系の反応、そして酵素の反応系全体はまだ寒い時期のそれになじんだままです。
イメージ的には「側は緩むが芯は硬いまま」というのがこの時期の人の体と言うことになります。
「それの何が問題?」なのでしょうか。

ところで私達の体は水という比熱容量の大きな物質が6割以上を占めています。
全部が熱循環のために機能しているわけではもちろんありませんが、水が多いと言うことは気温変化に対してよい意味で鈍感になると言うことでもあります。
なかなか暖まらない代わりに、いったん暖まるとその熱を逃がしづらいという性質を持っている、ということです。
人の体も季節による気温変動には、表面的には即応もしくはそれに近い反応をしますが、全体としては大きな船舶のように「舵を切ってもすぐに転進してくれない」ものであるわけです。
つまりこの時期体の内部、特に深いところほど“冷えたまま”の状態なのです。

さて体の表面近くの緊張が解ける=血流が増加する、ということですが、このとき若干ですが放熱が起こります。
蓄熱量が少ない状態ですが、全体として「健康」であるならば熱による変動はまあ無視できると言えます。
しかし、自律神経系がいっぱいいっぱいの状態では、この変動に対してなめらかな追従性を持って応えることが難しくなります。
具体的にはわずかな体温低下に対して、交感神経系が過剰に反応し、必要以上の緊張状態をもたらします。
中枢神経系制御に安定性がないとき、この“リバウンド”は健康な人には想像ができないほど重大な負荷となります。
結果、コントロールが不十分になった体は意思とは関係のない反応を頻繁に経験することになります。

この不安定な時期というのは、当然その土地の気温と連動していますが、概ね桜の咲く時期がその目安となります。
函館だとGW前後ですが、これを過ぎると内部の熱循環も春から初夏に対応し始めると言われています。

ちなみに夏から秋、つまり内部に熱を残したまま、皮膚表面の熱が下がってくる時期は「天高く馬肥ゆる秋」と言われるように、自律神経系も副交感神経優位になり、比較的安定するケースが多いように思います。

このような季節の変動を通して体は自己調整を繰り返しますが、あと1~2ヶ月くらいはどんな人も油断をしない方が良さそうです。

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