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整体考

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整体考

自分のしていることはどこにカテゴライズされるのか。

時々考えこんでしまうのですが、一般的に考えるならば「体を整える=整体」になるだろうとひとまず納得しています。

更に言うならばこれは手段であって、本当の目的は「クライアントに満足してもらうこと」であると認識しています。

そのための方法論は違法あるいは人として許されないものでない限り何でもありだとも考えます。

とはいえ、私の知りうることは当たり前ですが限定的で、その中で考えてゆかざるを得ません。

この業界、主に徒手矯正を行う人達の集まり、をざっと見回しても、数えきれないほどの方法論があります。

またその数の豊富さもさることながら、方向性や概念の違いもびっくりするほどで、いくら未定義とはいえ、人体に対する解釈は人の数だけあるのだな、と改めて思う次第です。

そんな中で自分が勉強してきた整体法、例えばカイロプラクティックやオステオパシーといった方法が主張する”システム論”は一見極めて論理的に見えながら、その実穴だらけというか、ほぼ思い込みと言っても差し支えのないものが多いというのが私の考えでもあります。

同時にたくさんの人がその方法論を選択し、それなりの効果を実感しているのを見ると、生物という存在の不可思議さに感嘆せずにはいられません。

基本的に整体は「体の不整合を矯正し、人体を安定した稼働状況にさせる技術及びその論理によって行われる行為」と定義できます。

その場所も程度もアプローチも様々ですが、概ね上記の考え方に収斂するはずです。

この発想の妥当性はさておくとして、実際の矯正がどのような影響を与えうるのか、改めて知識は拙いですが考えてみました。

まず思い浮かぶのはフィードバックの効率改善でしょうか。

制御は中枢からの一方的な下命によって成立するものではなく、その結果生じたリアクションのレポートが正しく中枢へあげられることが、その成立条件になります。

それを元に他の条件と馴染み、かつ反応が安定するよう適宜行われるのがフィードバック制御と呼ばれるループです。

このフィードバック制御は基本的に「次々と起きる体の変動を補正する」ことが目的で、必ずしもピンポイントの理想状態に誘導するとは限りません。

どちらかと言うと「倒れそうなふらつきをその都度かろうじて立て直す後追い支援」といったほうが適切な表現のように思えます。

一般に(私の知りうる限りの)徒手矯正において、その主な目的は「機能の最適化」であるといえます。

一方フィードバックは「その時時の最適化」を達成するためにあると言っても過言ではありません。

そしてその「最適化」を妨げているエラーループの形成は、私達の体のそこかしこで常に起きうる脅威として存在しています。

一旦形成されたそれらの偏向した制御反応は、その原因が組織にとって自律的復元不可状態にあるとき、そして長くそれが続くとき神経系内での可逆的な変性を伴う(擬似)病理へと発展します。

治療あるいは治良がもたらす「好ましい矯正効果」は、それが(大抵の場合ですが)どのようなものであれ、適切な命令を出すための適切なレポートを求心路にもたらします。

筋肉を例に上げると、伸びきって刺激に反応しなくなった部位は、該当する脊髄分節に必要なデータを送信できなくなります。

α運動ニューロンによって生じる後根>介在ニューロン>筋肉の経路は廃用のため極めて脆弱になります。

結果、関連筋の筋力はますます低下し、通常の検査では検出しづらい萎縮が始まります。

これを筋膜の復元力を利用したテクニックでもとに戻すとき、程度によりますが一過性の変性は解除され、筋に対して適切な刺激が供給されはじめます。

基本的にはこの影響は内分泌系、免疫系などにも(詳しいメカニズムは不明ですが)波及するようにみえますので、「現場の状況を見てから処理する」フィードバック制御により適切な働きをもたらすと言ってよいかと思われます。

当たり前ですが「なんでも治る」というのは単なる妄想ですし、またそれを口にするセラピストに対しては警戒すべきであると個人的には思います。

それどころかこの稿の論で考えるなら、そもそも私達の施術は治してすらおらず、体が自律的回復に必要なアクションを起こす手伝いを、それぞれの得意分野からある確率で起こしている(可能性が高い)、となります。

では私達のような方法論、いやそれ以前にこのようなことを考えるのは全くの無駄なのでしょうか。

おそらく(というか多分間違いなく)治良を生業とする私のような人間にとって絶対に必要なことだろうと考えます。

それは私の中にある、経験からくる確信がそう書かせるのですが、それをうまく表現するのはなかなか難しいです。

次稿までに(できるならば)考えてみます。

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