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恥骨

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恥骨

骨盤を構成する骨のうち、一番大きいのが左右の寛骨という骨です。
寛骨は乳幼児期は腸骨、坐骨、恥骨に分かれています。
その分離状態も明確ではありませんが、成人の骨盤にはその名残を見ることができます。

そのうち前方部分、性器のすぐ上あたりを構成する骨を恥骨と呼びます。
ここは真ん中を恥骨結合という軟骨結合によって連結されています。

この結合は真横に引きはがすような力には意外に抵抗しますが、正面や真下から矢状面に沿うような力を加えられると簡単に不安定になってしまいます。
また女性は妊娠出産に際してホルモンの働きにより、この部分が緩んで骨盤全体が拡がりやすいようになっています。

骨盤全体を上から俯瞰したとき、寛骨と仙骨からなる円環構造をそこに見ることができます。
その前方結合部が恥骨であり、後方は仙骨を挟んだ仙腸関節であると言うことができます。
体重支持は主に後方部分である仙腸関節が受け持ちますが、ここはただ固定されているだけではないと思われ、やや揺れるような動きの中で体重を処理していると考えられています。
この後方の揺れに前方で対応、連動しているのが恥骨結合で、仙腸関節にかかる応力をうまくいなす重要なメカニズムを形成しています。
つまり恥骨結合のわずかなぶれは、両関節の間にあるレバー比により仙腸関節に予想外の問題をもたらす可能性があるということになります。
実際恥骨を打ち付けた、あるいは子供がぶつかってきたなどの外力により恥骨結合がダメージを受けると、それが原因で仙腸関節の動きに大きな支障を来すケースも珍しくありません。
逆に仙腸関節に離開や可動制限などがでると、恥骨に接続している筋肉はきわめて敏感に反応し、その問題をできうる範囲で補正しようとします。
これは腹直筋の緊張もしくは弛緩を誘導し、同時にハムストリングスの機能不全を引き起こします。
この状態が長く続くといわゆる“腰の曲がった人”状態になりやすく、しかも長引くと代償作用により腰椎と仙骨の間で癒合がおきやすくなるなど、不可逆的な病状を呈することもまれではありません。

また恥骨自身がその形状から想像できるとおり、回転運動に対して柔軟に対応できるような性質を持っています。
しかし直接ではないものの筋膜との連動で大腿四頭筋という最も強い筋肉の一つとつながっていることなど、アライメントを乱す要素はたくさんあるのがこの恥骨という骨なのです。

話は少し飛びますが、骨盤隔膜という筋膜があります。
膀胱や子宮などの臓器とその上を隔てている筋膜ですが、当然のように恥骨にも付着しています。
恥骨のアライメント問題はこの筋膜にも影響を与え、その結果当該臓器の内分泌系応答を含めた反応を引き起こすこともあります。

治良は場所が場所だけに直接タッチすることはしませんが、腸骨の操作することで間接的しかし正確なアジャストメントを行うことが可能な部位でもあります。
また意外ですが顎関節周辺組織と深い連携性があり、併せて治良をしておくことが肝要となるケースが多いように思います。
消化器系、特に胃の問題の隠れた背景として治良が必要なことも多く、特定の症状と結びつきやすい部位であると経験上ですが感じています。

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