心身の乖離
心身の乖離について
ココロとカラダが離れている。
言葉ではたった十数文字ですが、その意味するところは一行では収まりません。
たとえばお腹がすく。
この欲求を誰かに伝えるとしましょう。
大人だったら伝える前に自分で欲求を満たしてしまいます。
子供でも大多数は冷蔵庫から何かを出して食べるかもしれません。
しかし自分で解決するすべを持たない場合はどうでしょうか。
大人の場合は我慢したり、もし赤ちゃんだったら泣きわめくでしょう。
しかしそれでも満たされなかった場合、どのような方法で欲求を処理するのでしょうか。
答えは「ごまかす」です。
人間は、特に生命に関わる欲求が満たされない場合、そしてそれを直接解決するすべを持たないときは、その欲求から目をそらすことによって安定を得ようとします。
これもある意味自己防衛の手段なので必ずしも悪いことではありません。
しかし、このごまかしが耐えられないレベルの結果だったり、あるいは長期にわたるものであると、自分の欲求がわからなくなるという問題が生じます。
その欲求から生じる衝動は確かにあるのに、それがどこから来ているのか本人も忘れてしまうのです。
こうなるとその衝動が起きるたびにいらいらが募り、いずれ問題を生じさせる素地となります。
これを心身の乖離といい、その原因をトラウマといいます。