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体重支持ついて2

では体重支持機能に不全が起きたとき、ヒトのカラダはどのようになっているのでしょうか。

このメカニズム説明については私の拙い知識に基づく推測でしかないことをまず申し上げておきます。

立ち直り反射などにみられる姿勢制御反応は、神経系の反応だけでは説明のつかないものであると言われています。
まずその速度ですが、神経が効果器にアクションを起こさせるには最低でも0.1秒もしくはそれ以上の時間が必要であると考えられます。
しかし実際の反応速度は最大で0.1秒以下の時間によって起きていると思われます。
この観察結果の矛盾を説明するには神経系以外の制御システムを想定する必要があります。

細胞の構造を支えるタンパク質については覚えておられますでしょうか?
体全体も同じように圧縮応力構造を採用しています。
その特性上、部分にかかった応力は全体へと伝わっていきます。
このセミモノコック構造は一つ一つの反応は微小かつ余裕の少ないものですが、全体としてみると応力の分散を担う“しなり”をもっています。
このしなりはただ力を逃がしたり減衰させるだけではなく、正確に力を伝えるシステムをも形成しています。

伝えられた力は組織自身が持つ復元力に沿って統合的な制御反応の一部として利用されます。

ただしこれは感覚器や筋肉などに内蔵されている深部知覚器から入力される情報と、実際の加速度や傾斜が無理なく一致することが条件となります。

仙腸関節は重力によって上から下へかかる力と、反力によって下から上に伝わる力の中継点と考えられています。
ここが理想的なアライメントで連結していないとき、神経系が受け取る情報と、構造が処理する力の間に齟齬が生じ、中枢側に混乱が起きます。

連続かつ長期間にわたる不一致は、内部の処理に無理を生じさせ、徐々に痛みや動きの制限を作る背景になります。

体重支持の問題は臨床家にとって、重要なチェックポイントであり、見逃してはならないシステム上の重大なエラーなのです。

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