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中年以降の運動について

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中年以降の運動について

私はスポーツ生理やトレーニングに関しては専門家というわけではありません。
ただ自分の体調管理の一環として軽いジョギングや筋力トレーニングを取り入れています。
理由はいろいろ試してみた結果、自分にはこれがあっているような気がする、という程度ですが。

余計な脂肪は人類の敵とばかりに、最近はダイエットの必要性が強く喧伝されるようになりました。
この是非について議論するほど十分な知識は持ちあわせておりませんが、あまり太りすぎるよりは様々な面で安定させやすいと、私個人は考えています。

ただ私も体育会系だったので理解できるのですが、とくに男性で運動をしていた方はつい無理をする傾向があります。
昔のイメージが残っているものの、身体は見事に衰えており、それどころか明らかに正常と言えない状態でイメージそのままに負荷をかけようとします。
筋肉の損傷が少し強めに出る程度ならいいですが、中には循環器系の問題が出現してしまい、おさめるために数年を要した方もいます。

30歳を過ぎてしばらくぶりにトレーニングを再開する場合、兎にも角にも「苦しくない程度でやめておく」ことが肝要です。
先の体育会系の人は特にこのことを忘れていはいけません。
身体をいじめないと気が済まないという昭和の部活感覚は一旦脇においておいて、循環系代謝系の再整備からはじめるべきです。

長い間の運動不足で怖いのは、まず心肺機能を始めとした循環器系統が想像以上に衰えていることです。
運動をやっていた方は特に引退後も食生活や生活習慣が現役時代そのままという方がいます。

この結果として検査をすると血管内皮に問題を抱えやすくなる人が(わたしの感覚ですが)多いようです。
原因として以下のことが言われています。
善玉コレステロールと言われるHDL(High Density Lipoprotein=高比重のコレステロール結合蛋白)は肝臓で合成されます。
これは余ったコレステロールを回収して歩く性質があり、肝臓に持ち帰って再利用するためです。

これがLDL(Low Density Lipoprotein=低比重のコレステロール結合蛋白)に対して一定の割合を保つことが血管内皮の健康を保つポイントだと言われています。
具体的には2:1以内、理想は3:2程度だと言われていますが、そのくらい比率であればLDLがばらまいたコレステロールが血管内に放置されるリスクがグッと減ります。

ところが運動で代謝をあげていた人が急に運動量を減らすと、食生活などが変わらない限りコレステロールの割合、とくにHDLの比率が保てなくなります。
HDLは適度な運動によって増加しますが、これがネックになるわけです。

減ったHDLに対してLDLはあまり減りませんから、血管内はすぐにおかしくならなくとも経年変化が運動をして来なかった人よりも急カーブで進みます。

長年の(気付かない)不摂生で十分に内臓脂肪などをため、血糖や尿酸値も下がりづらくなった身体は、表面から想像もできないくらいに動脈に負担をかけているケースが多いのです。
そこにいきなり筋トレなどをハードにやるとどうなるか。

筋肉に酸素や栄養を送ろうと硬い血管に圧力をかけますから、その結果は推して知るべしです。

また呼吸器系も弱って酸欠を発生させやすくなっています。
中枢神経系はこの酸欠に極めて弱く、すぐに音を上げます。
が、どうしても体をいじめないと気がすまないひとは(最初から)ここでもうひと頑張りをします。

好気性反応によってATPを生み出す電子伝達系も十分に対応できないうちにこれをやると、すぐに内臓機能や自律神経系までが悲鳴を上げ始めます。

こうなると筋肉痛なのか不調なのか判断がつかない違和感を抱えることになり、ますます異常は加速します。

運動そのものは適度なら歓迎されるべきことでも、メンテナンスを怠った身体でそれをはじめるためにはいろいろな準備段階を踏まないと危険ですらあります。

・踏ん張らなければならないような負荷はかけない
・少し物足りないくらいでやめておく
・はじめは軽いウォーキングからはじめること

これを忘れず楽しく汗をかいてみてください。

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