カリウム
カリウムについて
「ポカリスエット」
誰もが知っている有名なスポーツドリンクです。
わたしが中学生の頃に発売になって「ポカリスエットォ~」という、ちょっと脱力系の歌とともに一躍有名になりました(40才以上の方は覚えているかも)。
この「POCARI」という言葉の語源、ポタシウム(カリウム)、カルシウムを補給する!って意味だとずっと信じておりましたが、先日「語感が軽いので」という腰砕けになりそうな命名理由があったと知り、大塚製薬を逆恨みしました(笑)。
さて、そのことはどうでもいいのですが、今日はこのカリウムについて書いてみます。
もちろんこのミネラルも酵素の活性化なども行うのですが、なんと言っても神経系おける「分極・脱分極」がその一番の説明所かも知れません。
まずその分布ですが、あとから書くナトリウムと対照的にその90%以上が細胞内に存在しています。
通常、細胞の「外ナトリウム・内カリウム」となっていて、電気的傾向が分かれている状態を「分極状態」と言います。
極性が分かれている、という意味です。
神経細胞にもたくさんのタンパク質が埋まっていますが、その中に「電位依存性ちゃんねる」というのがあります。
感覚受容器に特定の刺激が加わると、それを電気信号に変換します。
この変換された電気によってまず「電位依存性ナトリウムチャンネル」が最初に開きます。
電気刺激によって細胞の外から内側へ、ナトリウムイオンを通すためのゲートタンパク質です。
これによってマイナスに荷電していた細胞内部はプラスへ極性を変化させます。
今度はこの変化に「電位依存性カリウムチャンネル」が反応し、カリウムを細胞外へくみ出します。
このサイクルが起きたとき、一瞬ですがそのセグメントの電位がはじけるように変化します。
これをオシロスコープなどで見るととがったようなグラフになります。
この電位変化を「活動電位」または「インパルス」といいます。
またこのように細胞内外の分極状態から脱することを「脱分極」といい、これが次々と伝わることで神経はその情報を伝えることが可能となります。
最初のスポーツドリンクの話に戻りますが、発汗によってこれらカリウムとナトリウムが急激に流出すると、神経系や筋肉組織におけるイオンポンプが働かなくなり、痙攣や意識の喪失などが起きることがあります。
スポーツドリンクの場合、水よりも浸透圧を最適化してあるので、即座にこれらのミネラルを吸収することができます。
イオンサプライとはまったくすばらしいネーミングだなと感心しております。
また、腎臓におけるナトリウムの再吸収を妨げ、ナトリウムの過剰蓄積による害を防いでくれると考えられています。
ただし再三にわたって書きますが、ミネラルは絶対量よりも通常バランスがものを言います。
カリウム摂取によるナトリウムの不足は当然危険な状態を招くので、サプリメントなどでとる際も気をつける必要があります。